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2025年4月13日

好きな音楽を“聴くだけ”で脳が変わる!?――驚きの脳卒中リハビリ革命

2025  4月  イタリア


音楽やダンスは、人間の感情や記憶、運動機能に深く関わる芸術表現である。近年、これらをリハビリテーションに応用し、脳卒中や認知症リスクを抱える患者の機能回復を図ろうとする試みが増加している。

しかし、音楽やダンスによる介入が脳の構造的・機能的変化(いわゆる神経可塑性)をどの程度促すのか、特に脳画像を用いたエビデンスは限定的であった。

そこで、音楽・ダンス療法が脳卒中を含む神経疾患患者にどのような神経変化をもたらすかを、画像診断を伴うRCT研究をもとにくわしくしらべてみたそうな。



PubMed、Scopus、Web of Scienceを用いて文献検索を行い、神経画像データ(MRI、fMRI、DWIなど)を含むランダム化比較試験(RCT)を対象に系統的レビューを実施した。

対象は18歳以上の神経疾患患者であり、音楽またはダンスを用いたリハビリ介入が行われた研究のみを含めた。最終的に20本のRCTが選定され、うち7本が脳卒中患者を対象としていた。介入内容には受動的な音楽聴取、歌唱療法、メロディック・イントネーション・セラピー、音楽に合わせた身体運動やダンスプログラムが含まれている。



次のことがわかった。

・脳卒中患者に対する音楽およびダンス介入は、以下のような効果を示した。

■受動的音楽介入(例:好きな音楽を聴く、自宅での音楽聴取)
- 記憶機能の改善(特にエピソード記憶)
- 言語理解力の向上(主に急性期患者)
- fMRIにおける聴覚野および前頭葉ネットワークの活性化
- 日常生活における気分の改善、動機付けの上昇
- 一部研究において、ALFF(安静時の低周波脳活動)の増加が確認され、前頭側頭野や海馬傍回の機能的活性が示唆された

■能動的音楽・ダンス介入(例:歌唱療法、楽器演奏、メロディック・イントネーション・セラピー、社交ダンス、フォークダンス、エアロビクスなど)
- 言語表出能力の有意な改善(失語症患者)
- 認知機能(注意・実行機能、空間認識)の改善
- 運動機能の回復(バランス、歩行、姿勢制御など)
- 白質・灰白質構造の可塑性変化(海馬、側頭葉、前頭葉、感覚運動領域など)
- 特に、GMV(灰白質体積)の増加が、感覚−運動統合領域や視空間処理領域において確認された
- 神経ネットワーク再編成(リズム刺激による運動−言語連携)
- 気分や社会的関与の向上

・受動的介入でも効果が見られたが、能動的関与のある音楽やダンス介入では、より広範かつ強い神経変化が報告されている。


音楽およびダンスを用いたリハビリテーションは、脳卒中を含む神経疾患患者に対して、脳の構造と機能の両面で変化をもたらしうる介入であることが示唆された。特に、言語・記憶・注意・運動機能に対する効果が顕著であり、受動的な音楽聴取でも神経機能の再構築が期待される。一方で、能動的な参加が伴う音楽やダンスの介入では、より広範で一貫した神経可塑性の効果が観察されており、臨床現場における適用の幅を広げる手段となりうる、

というおはなし。

脳卒中の音楽リハビリ


感想:

『受動的聴取(パッシブリスニング)の脳卒中への効果についてもっと詳しくおしえて。』


以下、医師国家試験正答率98%のAIの回答コピペ↓


受動的音楽聴取(パッシブリスニング)が脳卒中患者にどのような影響を与えるかについて、系統的レビューに含まれていた研究、特にSihvonen 2020〜2022年の一連のRCTSärkämöらの研究を中心に、かなり詳しく掘り下げてみよう。

🎧 パッシブリスニングとは?

  • 患者が音楽を“聴くだけ”の介入。
  • 特にこのレビューで取り上げられていたのは、1日60分、自宅で好きな音楽を聴くという形式。
  • 楽器演奏や歌唱などの「能動的関与」はない。

🧠 効果のあった主な領域と指標

以下に、受動的音楽聴取を行ったRCTの研究成果を中心に整理する。

  1. 記憶機能の改善(主にエピソード記憶)
    • Särkämö et al., 2014(Acute stroke, 60人)
      音楽群(好きな音楽を1日60分聴取)は、ナレーション群や標準ケア群に比べて、6ヶ月後の記憶成績(Verbal Memory, Working Memory)で有意に向上。効果は損傷部位に関係なく、特に右半球損傷者で顕著。
  2. 注意力・実行機能の向上
    • 同じくSärkämöの研究にて、注意力テストのスコアが音楽群で上昇。音楽が「持続的注意」や「情動的関与」を促進している可能性。
  3. 言語理解の改善
    • Sihvonen et al., 2020(fMRI併用)では、ボーカル音楽(歌詞つき)を受動的に聴いたグループで、言語ネットワーク(左上側頭回、前頭前野)の活動増加が確認された。ボーカル音楽の方がインストゥルメンタルより効果が高かった。
  4. ALFF変化(安静時脳活動の変化)
    • Sihvonenらの別研究では、ALFF(低周波振動の強度指標)が海馬傍回、扁桃体、帯状皮質などで増加。これは「音楽をただ聴くこと」でも、感情ネットワークや記憶システムに再構築が起きる可能性を示唆。
  5. 構造的変化(GMV)
    • 8週間の受動的聴取後、灰白質体積(GMV)の増加が、聴覚連合皮質(STG)や前頭前野(注意制御)に認められた。能動的介入と比べれば範囲は狭いが、“聴くだけ”でも形態変化が起きる重要な証拠。

🎶 患者が選んだ「好きな音楽」は特別

  • パーソナライズされた選曲の重要性が繰り返し指摘されている。
  • 既知の曲、感情的なつながりがある曲ほど、脳の広範な活性(報酬系、内側前頭皮質、側坐核)を引き出す。
  • 単なるBGMではなく、「その人にとって意味ある音楽」であることがカギ。

🔄 時系列での変化

  • 2週間後:注意や気分に変化
  • 4〜8週間後:記憶・言語・神経活動の顕著な改善
  • 3ヶ月後以降:脳構造(GMV)・ALFF変化が定着

🎯 まとめ

受動的音楽聴取が脳卒中患者にもたらす代表的効果を表にまとめる。

効果の種類 内容・部位など
記憶 エピソード・作業記憶↑(特に右脳損傷者)
注意 継続的注意力↑(音楽による動機づけ)
言語 ボーカル音楽で言語理解↑(左上側頭回、前頭葉)
ALFF(機能) 海馬傍回・帯状皮質・扁桃体での活動↑
GMV(構造) 聴覚連合野・前頭前野などの灰白質体積↑
情動・動機づけ 好きな音楽で報酬系が活性化





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