元2025 8月 台湾
脳梗塞の急性期には血圧が大きく変動しやすく、その管理がとても重要である。ところが従来の病棟での血圧測定は、看護師が1日数回カフで測る方法が中心で、寝ている間や日中の変動を十分に捉えることができなかった。
そこで、手軽に回数多く血圧を測れるスマートウォッチに注目が集まっている。これまでは健康な人を対象にした検証が多く、血圧が大きく揺れる脳卒中患者で本当に使えるのかはわかっていなかったのでくわしくしらべてみたそうな。
台湾の病院で、発症3日以内の急性期脳梗塞の患者35人を対象に研究が行われた。両手首にスマートウォッチ(ASUS VivoWatch SP)を装着し、同時に両腕で従来の水銀血圧計による測定も行った。スマートウォッチは光センサーで血流をとらえ、心電図データと組み合わせて血圧を計算する仕組みである。測定の精度は国際的な基準に従って評価された。
次のようになった。
・解析対象となった35人の測定では、スマートウォッチと水銀血圧計の差は平均で収縮期血圧1.8mmHg、拡張期血圧0.7mmHgと小さく、国際基準を満たしていた。・また、麻痺のある腕でもない腕でも測定精度に違いはみられなかった。ごく一部の患者では測定ができなかったが、大半の人で安定した測定が可能であった。
スマートウォッチを使った血圧測定は、急性期の脳梗塞患者でも十分に正確で信頼できることが示された。これにより、従来の限られた回数のカフ測定では見逃されていた血圧の変動や、睡眠中の状態をとらえることができる可能性がある。脳卒中の血圧管理に新しい選択肢を提供する道が開けてきたといえる、
というおはなし。
感想:
『スマートウォッチでの血圧測定がいつのまにか信頼に足るものになっていたと知って驚いています。測定精度が上がった理由と、この論文で使用されたスマートウォッチの参考価格を教えてください。』
以下、医師国家試験正答率98%のAIの回答コピペ↓
いい驚きですよね。要点を2ステップ以上の“なぜ”でまとめます。
測定精度が上がった主な理由
1) センサーの複合化とハードの進化 PPG(光)に加えてECG(心電図)を併用し、心室収縮から末梢脈波までの時間(PTT)を利用できるようになった。対象機は背面+側面に2つのPPG、さらに側面にECG電極を備え、光学フロントエンドにTI AFE4900を採用、250Hzで脈波を取得している。これにより微細な波形や到達時間を正確にとらえ、推定の基盤が安定した。 2) 機械学習とキャリブレーション 取得した波形を多変量回帰(機械学習)で血圧に変換し、初回は基準血圧でキャリブレーションして個体差を補正する方式。これがPPG単独より誤差を縮めた。 3) 測定手順の標準化(ノイズ低減) 国際規格ANSI/AAMI/ISO 81060-2:2018に沿って検証し(カフレス用に一部調整)、手関節を心臓の高さに保持し、手首から約2cmの位置に装着するなど、体位差や装着位置ズレによる誤差を抑えた。
4) 臨床側での実証
急性期脳梗塞35例・140ペアの比較で、収縮期1.8±5.7mmHg/拡張期0.7±3.6mmHgの差に収まり、規格基準を満たすことが示された。麻痺側・非麻痺側でも差がなく、実臨床における安心材料も得られた。
この論文のスマートウォッチ(ASUS VivoWatch SP)の参考価格
- 日本の出品例(Amazon.co.jp):55,396円(新品・出品者経由の掲載例)。価格は在庫や出品者で変動。
- 海外の実売レンジ(参考): ・最安比較レポート:$337.16(Klarnaの最安表示)。 ・マーケットプレイス:$340〜$399前後の出品が複数(eBayの最近の例)。
- 発売当初の国内価格(参考情報):46,620円(2021年当時のASUS Store/Amazon案内)。現在は為替や在庫で上下。
目安として、国内は5万〜6万円台、海外は330〜400ドル台の相場感が多い印象です(時期と在庫で変動)。
