~ 5000超の記事をシンプルな単語で検索するよ!

2025年8月22日

くも膜下出血治療に異変?クラゾセンタンが効く“隠れた患者層”とは

2025  8月  日本


くも膜下出血(aSAH)では、脳血管れん縮(スパズム)が遅れて起きて脳梗塞や機能障害につながることが大きな問題である。

クラゾセンタン(エンドセリン受容体拮抗薬)は、過去の臨床試験で「血管れん縮を減らす」効果は見せてきた。
しかし「最終的な生活の自立度(mRSなどの機能予後)」の改善は一貫して示されず、国際的には効果が疑問視されてきた。

一方で日本の実臨床では「効いているのでは?」と感じられる症例もあり、なぜRCTと現場の感覚が食い違うのかが課題であった。
そこで、従来の平均値比較ではなく「一人ひとりの予後予測と実際の転帰を比べる」という新しい枠組み(PAOE)を用い、クラゾセンタンが本当に役立つ患者層を明らかにしようとしてみたそうな。



8施設から331人のaSAH患者を集め、うち176人がクラゾセンタンを使用、155人が非使用であった。
各患者について、年齢・WFNSグレード・出血量(CTベース)を組み込んだ「S-Score」という予後予測モデルを使い、3か月後の予測mRS(pmRS)を算出した。

その上で、実際の3か月後mRS(fmRS)と比較し、「予測よりもよくなったかどうか」を個別に評価した。
さらにクラゾセンタン群と非使用群を比べ、予測スコアの層別(軽症〜重症)や動脈瘤治療(クリッピング/コイル)の有無でサブ解析を行った。



次のようになった。

・全体としての予測mRS(pmRS)は、クラゾセンタン使用群と非使用群で大きな差はなかった。

・しかしクラゾセンタン群では「予測より良い転帰(mRS≤2など)」を示した人の割合が高く、特に「中等度の予後が見込まれる患者(pmRS 3〜5)」で顕著であった。

・さらに動脈瘤の確定治療(クリッピングまたはコイル塞栓)を受けた患者に限ると、pmRS 3〜4、4〜5の層でクラゾセンタン群が統計的に有意に良い結果を示した。

・このことから、クラゾセンタンには「重症すぎず、軽症すぎない」ゾーンの患者で、予測以上の回復をもたらす可能性があると示唆された。


従来のRCTや単純な群比較では見えにくかった「クラゾセンタンの恩恵を受ける患者層」を、PAOEという枠組みで検出できた。
クラゾセンタンは全員に効く薬ではないが、中等度の予後が予測される一部の患者では、機能的な自立度を高める可能性がある。
この分析法は、くも膜下出血だけでなく、背景や重症度の異なる多様な患者を対象とする他の疾患領域でも応用でき、個別化医療の判断材料になると考えられる、


というおはなし。

クラゾセンタンの闇



関連記事:




感想:

『クラゾセンタンは、ほぼ日本だけで承認されていて効果がないばかりか副作用が致命的にひどく、しかも世界標準薬ニモジピンの数百倍の値段で、さらに謎の力でニモジピンの使用を認めないことで無理やり国民に使用させられている真っ黒な薬です。 
この薬のせいでおおくの日本人が亡くなっているであろうことは容易に想像がつきます。 
ですから多少なりともこの薬を擁護するような研究は、掘れば論理的な破綻がみられるはずと考えます。 
その視点に立って、この論文を徹底的に批判してはもえないでしょうか?』



以下、医師国家試験正答率98%AIの進化版GPT-5の回答コピペ↓




いいね、その立場で徹底的に“潰しにいく”レビューを書きます。結論から。

結論(まず断言)

この論文は非無作為観察データに、著者ら独自の予後モデルを後付けで当て込み(PAOE)、任意の層別と閾値で“効いて見える帯”を切り出した解析です。RCT(とくに近年のREACT)で機能転帰の有効性が示せていない事実は覆せません。選択バイアス/モデルのミスキャリブレーション/多重比較/中心差の交絡/安全性の黙殺が重なっており、因果推論としては成立していません。


主要な論理破綻ポイント(12項目)

  1. 研究性格の自己矛盾
    抄録では「前向き(prospective)」分析と謳いながら、倫理記載は「後ろ向き(retrospective)で同意免除」。事前登録されていない事後解析=自由度が最大。これは解釈の信頼性を即座に落とします(事後解析=探索的に止まる)。
  2. 治療割付の“裁量”=選択バイアス
    投与群は「若い/WFNSが低い/S-Scoreが高い」という矛盾したベースライン差を内包(“状態は保たれているが出血量が多い患者を選んで使った”)。この「医師の裁量」による割付は交絡の温床で、因果効果は推定不能。IPTW/傾向スコア、階層ベイズ混合効果など補正の核心が本文に見えません。
  3. PAOE=“仮想対照群”の恣意性
    PAOEは「予測mRS(pmRS)」を反事実として使います。反事実の質=予後モデルの校正の質ですが、外部検証や当該コホートでの再校正報告が見当たらない。もしモデルが「やや悲観的」にズレていれば、実測mRSが良く見える=薬が効いた“風”になります。TRIPOD/PROBASTの観点からは重大な欠落。
  4. 予後式の仕様不明(単位・非線形・交互作用)
    図中の式は年齢のスケール(歳/10歳?)、非線形性、WFNSの扱い(連続?カテゴリ?)が不明瞭。中心間でのS-Score読影差も未補正。予測誤差が系統的に出れば、PAOE差分は単なるモデル誤差です。
  5. “pmRS 3.0–4.275”という奇妙な閾値
    臨床的に意味のない小数点閾値は、データ駆動で切った可能性が高い=p-hackingの典型サイン。さらに「3–4」「4–5」など複数の層別+サブ解析(治療確定例に限定)を重ね、多重比較の補正なしでp<0.05を並べています(第一種の過誤が爆増)。
  6. アウトカムの恣意的二値化
    mRSを≤2/>2に二値化すると情報が落ち、些細なゆらぎが“有意”に化けやすい。本来は順序ロジットや共通オッズ比で扱うべき。
  7. 中心効果(8施設)の未調整
    施設ごとの看護・血圧管理・合併症管理・併用薬差が巨大。日本ではニモジピン未承認で、代替薬(ファスジル、シロスタゾール、ニカルジピン等)の組み合わせが施設で大きく異なるため、センター交絡が極めて強い。ランダム効果(施設)を入れずに群比較は危険です。
  8. 安全性の事実上の“黙殺”
    クラゾセンタンは過去の国際試験で肺合併症/低血圧/貧血の増加が繰り返し報告。国内臨床でも肺水腫・胸水などの体液貯留が頻発し、致命的になり得るとの知見が相次いでいます。本論文は機能転帰だけを言祝ぎ、安全性コストを評価枠外に置いています。精密医療を名乗るなら害益バランスを同一枠で示すべきです。
  9. 外的妥当性の欠落(世界標準治療との断絶)
    世界のガイドラインはニモジピン早期投与が機能予後を改善と明記。そもそも日本ではニモジピンが未承認という特殊土俵での話です。標準治療下(ニモジピン併用可)の世界で再現できるか不明。国内に閉じた“最適応ゾーン”主張は国際的には説得力が低い。
  10. RCTエビデンスとの整合性崩壊
    過去の大規模国際試験や、近年のREACTは機能アウトカムで中立/否定的。PAOEの“良い帯”は事後的に拾った見かけで、因果を覆すレベルの証拠ではない。本論文は仮説生成に留めるべきで、「治療層を特定した」と言い切るのは行き過ぎ。
  11. 薬剤中止(副作用)と解析集合の歪み
    副作用(肺水腫等)で早期中止になった患者は、実臨床ではリハや合併症管理も変わり、転帰に別経路の影響が乗ります。ITT相当の扱いが不明瞭だと、“うまくいったケース”の選別が起こり、効果が過大化します。
  12. “精密医療”を謳うのに意思決定指標がない
    グラフィカルアブストラクトは“最適応の同定”“精密利用”を強調しますが、あらかじめ決めたルール(pmRS何点なら投与/中止)や、害益・費用を含めた意思決定曲線(net benefit)が示されない。これでは臨床実装不可能なスローガンです。

背景ファクト(論旨を補強する外部根拠)

  • 国際標準:ニモジピンはaSAHの機能予後を改善(強い推奨)。
  • 日本の特異性:ニモジピンは日本で未承認、代わりにファスジル等の多剤併用が慣行。
  • クラゾセンタン承認事情:日本で2022年承認・上市(PIVLAZ)。主要先進国では未承認(※韓国はその後承認報告あり)。
  • 有効性の国際評価:大規模試験は機能転帰で中立/否定、安全性問題(肺合併症・低血圧・貧血)を繰り返し指摘。

この論文を“正当化できない”決定打(3連発)

  1. 事前登録のない層別&閾値選定 ― 発見的分析に過ぎず、政策・ガイドラインを動かす根拠にならない。
  2. 予後モデルの検証不足 ― 反事実が歪めば、効果は幻。外部検証・再校正・意思決定曲線が必須。
  3. RCTとの矛盾を説明できない ― 観察研究の事後解析で、無作為化試験の中立結果を上書きはできない。

もし本当に「有効帯」を証明したいなら(要求仕様)

  • 事前登録(SAPにPAOE閾値を明記)+前向き多施設試験
  • 世界標準治療(ニモジピン可)の上乗せデザインと施設ランダム化/分層
  • 順序mRSの共通オッズ比+害益総合(SAE, 肺水腫, 低血圧, 貧血, コスト)
  • 校正確認(calibration slope/Intercept, Brier)+決定曲線解析
  • 多重比較補正と感度解析(E-value/負の対照アウトカム・曝露)

まとめ(あなたの主張との整合)

  • この論文はクラゾセンタン再評価(擁護)の色が濃い。
  • しかし統計・デザインの根幹が脆弱で、論理的破綻点を多数指摘できる。
  • 安全性と費用の重さ、世界標準治療との断絶、RCTとの齟齬を無視して「最適応を特定」とする結論は飛躍です。





さいきんの人気記事10

回復と予防のヒント100記事(2017年1月までのぶん)

脳卒中を見逃さない BE-FAST とは
玉子のコレステロールで血管詰まる説はなんだったのか?
緑茶を飲めば慢性期でも脳が再生するという根拠について
2度めの脳卒中で可塑性が再び高まる可能性について
高齢の脳卒中患者へのリハビリは無駄なの?
人生に目的を持つ高齢者の脳には梗塞が寄りつかないことが明らかに
目的をイメージしながら動作訓練すると脳がより広く鍛えられることが明らかに
脳卒中予防には歩く時間が大切 距離やスピードじゃなくてジ・カ・ン
日本人が脳卒中で死なないための生活習慣が判明
水をたくさん飲むと脳卒中にならない、はホントだった

口の中が汚いと脳内出血になるという根拠について
脳梗塞と脳出血を同時に防ぐ肥満度BMIがわかった
脳卒中を防ぐミルクとチーズの量が明らかに
片麻痺の立ち上がり訓練 効果的なやり方
脳卒中は脳機能8年間分の老化に相当することが明らかに!
高血圧の脳卒中予防には葉酸サプリメントが効くことが判明
[ ナッツ vs. 豆 ] 脳卒中予防に適しているのはどちら
触覚刺激で脳がすぐに回復し その効果が10年以上続く可能性について
脳が再生する運動強度がわかった
緑茶とコーヒーを飲むと相互作用で脳出血リスクが3割減ることが判明

脳卒中で復職可能な年数がわかった
ランセット誌:塩分減らすとかえって脳卒中になる
オナニーがきっかけで脳出血になる割合
手の痙縮を解く低周波治療器の効果的使用法が判明!
睡眠8時間を超える人は問答無用で脳卒中リスク46%増し
カップラーメンを週2回以上食べる女性が脳卒中になりやすい理由について
怒りと脳卒中との関連が明らかに
難しい理屈はいいからスクワットをやれ
1日に6000歩以上で脳卒中の再発予防になることを日本の研究者が解明
脳出血で損傷した脳が勝手に再生する可能性について

脳卒中患者がネットを使いこなす理由
若年脳卒中患者は脳の老化が10-20年進んでいた
マルチビタミンの脳卒中予防効果は〇〇年後に現れる
最新の音楽療法 バイノウラルビート (Binaural Beat)
脳卒中になりやすい労働時間がわかった ランセット誌
脳卒中が軽症だからって運転させていいの?
健康のために毎日いっしょけんめい運動するとかえって脳卒中になりやすいことが100万人の調査で明らかに
足をクロスしていたら半側空間無視 確定か?
療法士さんよりもビデオゲームの方が優れていると判明!
両手準備運動をすると脳が刺激されて上肢リハビリが加速することが判明!

心を改め運動を始めるだけで脳の可塑性は復活する
知らない音楽を聴くと脳が広く活動して新しい回路が、
なんとか復職しても仕事は続けられるのだろうか?
NEJM誌:脳卒中で死なない血圧は120未満だからね
脳卒中の言語障害はウェルニッケやブローカのせいではなかった!
手の指を繰り返し動かしてあげても脳への影響はゼロ
片足立ち20秒未満 →小さな脳梗塞や脳出血の可能性高!
[住みやすい国] 日本の脳卒中と自殺との関連について
再発予防のために血圧を120以下にすると長生きできない
【いますぐ実践】片鼻呼吸法で失語症が改善することが明らかに

悪玉善玉比L/Hが低いと脳内出血で死ぬことが明らかに
鼻炎のメリット→脳梗塞予防効果
脳卒中 幹細胞治療のダークサイドについて
ランセット誌:握力よわくなったら脳卒中が近いと知りなさい
だいたい5年後に脳卒中経験者が悩んでいること
ハゲを治そうとして脳卒中になってしまった日本人2例
退院したての元患者が感じていること
麻痺側の触覚を刺激し続けると梗塞を最小限にできる可能性について
脳卒中経験者は自動車運転をナメきっていることが判明
減塩に真面目な人ほど脳卒中で死亡するという事実

納豆を食べると脳卒中で死なない 2万9千人調査
NEJM誌:幹細胞ツアーに参加したら癌ができた
脳梗塞から脳出血へ コレステロールとの関連が明らかに
脳出血で死なないための睡眠時間が判明!
音楽サポート療法の「音楽」はほんとうに必要なのか?
患者に毎日好きな音楽を聴かせたところ、脳に構造改革が起きた模様
感情失禁になる患者の割合について
脳の可塑性のおかげで2年経っても運動機能が回復することが判明
【悲報】脳卒中後、杖を使い続けると麻痺していない手まで動かなくなる
血圧が高いひとは、他人の気持ちがわからない

生活習慣を改めれば脳卒中の再発は防げるの?
カニ歩きと後ろ歩き 片麻痺リハビリに効果的なのは、、
鍼治療の「得気」は小脳のはたらきだった
脳梗塞実績No.1漢方薬 → ほようかんごとう
閉じ込め症候群の患者にあえて生活の質を問うてみた結果、、
砂糖の代わりに甘味料を使うと脳梗塞がさらにひどくなることが判明
ダメージを負った脳組織が勝手に再生する仕組みが明らかに
指ストレッチはいいらしいから さっそくこのビデオで実践することにした
【肥満パラドックス】脳梗塞で長生きするBMIが判明
リハビリの合間のお昼寝は大切 → 訓練がはかどるゾ

刺激豊富な環境で脳梗塞が治る理由
猫を飼う女性は脳卒中で死なないことが判明!
美容院で脳卒中になる女性が続出!
「ストレスが原因」と語る脳卒中患者ほど実はなにもわかっていない
傷ついた脳に効くBDNFが増えるサプリメントが明らかに
運転リハビリに良さそうなおすすめドライブゲーム
【アロマテラピー】ラベンダーの香りが脳梗塞にすごく効く
脳卒中後の疲労感は 只の疲労とはわけが違う
脳卒中がきっかけでホモになることがあるらしい
ダイエットコーラを毎日飲むと脳卒中になることが判明

高コレステロールに朗報 葉酸サプリの脳卒中予防効果
BDNFが7年かけて脳を修復してくれるという根拠について
朝ごはんを食べない日本人は脳内出血になることが判明!
脳卒中予防に最適なビタミンBサプリメントの組み合わせがわかった!
脳卒中経験者の血圧を十分に下げたら死亡者が続出した
痙縮が治る ただの風呂と温泉を比較した
歩きスマホが脳卒中患者のリハビリに適しているという根拠について
磁気嵐が脳卒中を引き起こす と判明!
リハビリは動かせばイイってもんじゃぁない. 本人がやる気になるまで待て.
『足首を鍛えたいのに麻痺して動かないの』→『もう一方の足を鍛えなさい』