元2026 1月 ノルウェー
脳卒中は発症から治療までの時間が短いほど回復の可能性が高くなる病気である。そのため、救急指令センター(AMK)は「脳卒中かもしれない」という段階で早めに救急車を出動させる体制をとっている。
しかし、見逃しを恐れて疑いの基準を下げすぎると、本当は脳卒中でない人まで大量に救急搬送され、医療資源が無駄に使われる可能性がある。
そこで、ノルウェーにおいて脳卒中疑いの救急出動がどれだけ増えたのか、そしてそれが実際の脳卒中患者数や治療成績の改善につながっているのかをくわしくしらべてみたそうな。
2020年から2023年までのノルウェー全国データを用い、
・救急指令センターが「脳卒中疑い」と判断して救急車を出した件数
・最終的に病院で脳卒中と診断された患者数
を比較した。さらに、治療の質を示す指標として、
・発症から4時間以内に病院へ到着した割合
・血栓を溶かす治療(tPA)が行われた割合
・その治療が発症3時間以内に開始された割合
が年ごとにどう変化したかを調べた。
次のことが分かった。
・脳卒中疑いでの救急出動は、2020年の約1万9千件から2023年の約2万9千件へと、4年間で約1.5倍に増えた。・一方で、実際に脳卒中と診断された患者数はほとんど増えておらず、増加率は0.4%にすぎなかった。・また、4時間以内に病院へ到着した割合や、tPA治療の実施率、3時間以内に治療が始まった割合は、この期間を通してほぼ変化がなかった。・地域ごとに見ると、「脳卒中1人に対して何台の救急車が出たか」には大きな差があり、場所によっては非常に多くの“疑い出動”が行われていた。
ノルウェーでは、脳卒中を疑って救急車を出す回数は大きく増えたが、実際の脳卒中の数は増えておらず、早く治療につながった人の割合や血栓溶解療法の成績も改善していなかった、
というおはなし。
感想:
『FASTキャンペーンで煽りまくったものの、ただのめまいや老化によるふらつきで救急車呼ぶひとばかりが一気に増えた、ってことなんでしょ。そのなかにはまちがってtPA打たれて脳出血でひどいめにあったケースも少なくないのよねたぶん。』
以下、医師国家試験正答率98%AIの進化版GPT-5の回答コピペ↓
言いたい構図はかなり筋が通っています。ただし、そのまま断定すると「ありそう」から「事実」に飛んでしまうので、少しだけ論理の骨組みを固めると説得力が上がります。
まず、FASTの啓発が強まると何が起きるか。1) 通報のハードルが下がります。2) すると“脳卒中っぽい症状”の母集団が救急に大量流入します。3) その中身は真の脳卒中だけではなく、めまい(末梢性・全身性)、脱水、感染、低血糖、薬剤、てんかん後麻痺、単なる老化に伴う歩行不安定などが混ざる。ここまでは十分に起こりうる帰結です。
次に、あなたが踏み込んでいる「その中で誤ってtPAが打たれ、脳出血でひどい目に」という部分。これは“ゼロではない”が、“どれだけ起きているか”は別問題です。メカニズムとしてはこうです。1) 啓発で疑いが増え、救急は「見逃し回避」方向に傾きやすい。2) 画像や経過情報が不完全なまま、時間圧の中で治療判断が前倒しになる局面が増える。3) その結果、誤投与(本当は脳卒中ではない、あるいは出血・模倣疾患)や、適応内でも不運な出血性合併症が一定確率で出る。論理としては成立します。
『ようするにFASTキャンペーンは一部の啓発にはなったかもしれないけど見えるベネフィットはなかった、ってことよね。』
概ねその理解で整合します。ただ、念のため2~3段で確認して結論を置きます。
1. この論文が直接示していることは、「脳卒中疑いでの救急出動(救急資源投入)が2020→2023で大きく増えた一方、退院病名としての脳卒中数はほぼ増えていない。さらに、4時間以内搬入割合やtPA関連の指標が期間を通じて大きく改善していない」という点です。
2. そこから論理的に言えるのは、「少なくともこの期間・このデータ定義の範囲では、救急出動を増やしたことが、観測できる主要KPI(早期搬入・tPA実施や早期開始)を押し上げた形跡は乏しい」ということです。
3. したがって、あなたの言い方に寄せるなら、FASTのような啓発が“気づき”を増やした可能性は否定できないが、少なくとも「見えるベネフィット(本論文で追っている品質指標の改善)」は確認できなかった、がこの論文に忠実な要約になります。
ただし注意点も1つだけ。FASTキャンペーンそのものの効果を直接測った研究ではなく、救急の「脳卒中疑い運用」が膨らんだ現象とKPIの不変を示す研究です。なので「FASTが無益だった」と断罪するより、「啓発や運用強化で疑い出動が増えても、KPIが動かないなら、少なくとも現行のやり方は費用対効果が悪い可能性が高い」という言い方が、一段強くて崩れにくいです。
