元2025 7月 アメリカ
軽い脳梗塞(NIHSSスコアが5以下)に対して「tPA(静注血栓溶解薬)」を使うべきかどうかは、これまでずっと議論されてきた。
症状が軽い場合、本当にこの治療が必要なのか、安全なのか、医師の間でも意見が分かれている。特に、軽症例にtPAを使っても、本当に良くなるのかははっきりしていなかった。
そこで軽症の患者だけを対象としたRCT(ランダム化比較試験)にしぼって、tPAの効果とリスクをくわしくしらべてみたそうな。
元2025 7月 アメリカ
元2025 3月 アメリカ
元2025 1月 アメリカ
元2024 11月 中国
元2024 5月 スウェーデン
元2024 3月 アメリカ
元2024 3月 中国
元2023 4月 タイ
元2023 4月 日本
元2022 5月 オランダ
元2021 3月 台湾
元2020 6月 中国
元
Educating Paramedics on the Finger-to-Nose Test Improves Recognition of Posterior Stroke
2019 8月 アメリカ
・21ヶ月間に777人の脳梗塞があり、18%が後方循環系だった。救急隊員への指鼻試験の教育で後方循環系脳梗塞の判定率が向上し、CTを撮るまでの時間が大幅に短縮された、
・後方循環系の判定率は、指鼻試験ありで46→74%、コントロール32→39%に向上した。
・CTまでの時間は指鼻試験グループが62→41分、コントロール58→61分になった。
・血栓溶解療法の適用率にグループ間で差はなかった。

元
Reasons for delayed admission after stroke- results of a qualitative and quantitative survey
2019 5月 ドイツ
・時間内到着にくらべ遅れてきた患者のおおくは、自分自身で症状に気づいていた。
・かれらにもっとも共通した感情は、確信のなさ(uncertainty)と恥ずかしさ(shame)だった。
・そして続くアクションとしてほとんどが 様子見(waiting)をえらんだ。
・彼らの脳卒中に関する知識レベルは中程度であったが知識に自信がないわけではなかった。
・脳卒中知識の情報源として雑誌が51%で医師からが26%だった。
・自由回答式ではない選択式の問いに関しては高い知識レベルを示していた。

nature.com:身内ほど救急車を呼ばないパラドックス
脳卒中なのに救急車を呼ばない理由
元
New Study Supports Extended Time for tPA in Ischemic Stroke to 9hours - Neurology Today
2019 3月 オーストラリア
・患者内訳は、10%が発症から4.5-6時間で、25%が6-9時間、65%は起床時に脳卒中に気づいたケース(Wake up stroke)だった。
・発症から治療までの時間中央値は7.2時間だった。
・90日後のmRSスコア0-1(障害なし相当)は37% vs. 29%でt-PAグループにおおかった。
・90日後の死亡者率は10% vs. 9.5% でt-PAグループがわずかに高かった。
・症状をともなう頭蓋内出血の発生率は 6% vs. 1% でt-PAグループで非常に高かった。
脳梗塞 “血栓溶かす治療をより多くの患者に” 治療指針変更
(3月22日 NHK news)
元
Why more people don't call 911 when stroke symptoms hit
2019 1月 アメリカ
・もっともおおかったのは「かかりつけの病院があって、救急車だとどこの病院につれてゆかれるか不安だから」という理由で3分の1を占めていた。
・次いで「救急の事態とは思わなかった」
・「自分や家族の運転のほうが救急車よりもはやく病院に着けると考えたから」、という順だった。
・ガイドラインでは急性脳梗塞がうたがわれる場合には血栓溶解治療のできる最寄りの病院へ連れてゆくことになっていて、
・患者による病院指定があっても救急医師は断る権利を有する、とされている。

元
Prognostic Value of BEFAST vs. FAST to Identify Stroke in a Prehospital Setting
2018 8月 アメリカ
・159人が脳卒中で、200人は脳卒中でなかった。
・脳卒中患者と非脳卒中患者のNIHSSスコアの比は 7 vs. 2、BEFASTでは 3 vs. 1、FASTでは 2 vs. 1 だった。
・顔の垂れ下がり率が 52% vs. 24%、腕の脱力率が 55% vs. 20% であきらかに脳卒中患者に顕著で、BEFASTのBalanceとEyesによってもたらされる違いをおおきくうわまわっていた。
・BEFASTとFASTのROC曲線下の面積はそれぞれ0.70, 0.69で脳卒中検出精度に差はみられなかった。
脳卒中を見逃さない BE-FAST とは
元
Medical Attention Seeking After Transient Ischemic Attack and Minor Stroke Before and After the UK Face, Arm, Speech, Time (FAST) Public Education Campaign
2018 7月 イギリス
・73.8%がTIAや軽微な脳卒中症状があった患者だった。
・FASTキャンペーンのあと、重症の脳卒中患者が3時間以内に病院にかかる率は高まった。
・しかしTIAや軽微な脳卒中では救急車利用率や24時間以内の病院利用率にキャンペーンの前後で差はなかった。
・188人の患者が90日以内に脳卒中を再発したが、彼らの49.5%は最初のTIA症状のとき病院にゆく必要はないと考え無視した。この率はキャンペーン前後で同じだった。
元
Public health campaigns and their effect on stroke knowledge in a high-risk urban population: A five-year study.
2017 1月 カナダ
・2010に198人、2015に791人から回答を得た。
・リスク要因としてもっとも多かった回答は 2010が喫煙(58%)、2015は高血圧(49%)だった。
・症状では、2010が言葉のもつれ(57%)、2015は手足のしびれ(67%)がもっともおおかった。
・ほとんどの人がリスク要因と症状について1つ以上答えることができ、
・完全正答者の割合も 77%、76%でほぼおなじだった。
・主な情報源はテレビで 61%、68%だった。
元
BE-FAST (Balance, Eyes, Face, Arm, Speech, Time)
2017 1月 アメリカ
・入院時 14.1%にはFASTの症状はなく、
・そのうちの42%は歩行バランスの低下が、40%には視覚症状があり、70%にいずれかの症状があった。
・この2つの症状をFASTに加えた "BE-FAST"で選別しなおすと、あてはまらない患者は4.4%に減った。
脳卒中のサインはFASTだけではなかった!