脳内出血になるほんの数カ月前のこと。
どういうわけか、
20年以上かけ続けていた終身契約の生命保険を
『もうこんなものに頼って生きるのはやめよう!』
などと突然に思い立ち、 解約してしまった。
病院に担ぎ込まれて半身不随状態を認識してまっさきに
思ったことの一つがこの件だった。
なんというタイミングだろうか…
特約もいっぱい入っていたのに…
いまさら悔やんでも仕方がないか…
とか いろいろな思いがあたまをよぎった。
でも、健康保険はよくできていて、
入院生活に要した費用は全部で50万円程度だったと思う。
支給された傷病手当金などもふくめると、
直近の金銭的ダメージはほとんどなかったと言ってよいと思う。
ほんのすこし焼け太ったくらいである。
こういう病気はお金がいっぱいあるからといって
よくなるものでもなんでもない。
自分は運良く? 激しく回復したから
結果として
生命保険は まったく必要ではなかった。
もしも保険契約がそのままで 大金が降りる可能性があったとしたら…
ほんの数千万円のお金のために
病気の悪化と重度の後遺症が残ることを祈る気持ちが わずかでも湧いていたかもしれない。
そう思うとあの時の解約の決断は間違っていなかった、と思えてならないのである。