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2018年12月14日

脳の損傷部位にあらたな神経細胞を誘導する方法


New neurons use Slit-Robo signaling to migrate through the glial meshwork and approach a lesion for functional regeneration
2018  12月  日本

動物にもとからそなわっている神経新生能力をもちいた脳損傷治療が注目されている。

成長がおわった動物でも脳室下帯ではあらたな神経細胞の産生がつづいていて、たとえば脳卒中がおきると脳室下帯から神経の前駆細胞(神経芽細胞)が脳の損傷箇所へ移動する。

このときグリア細胞であるアストロサイトが構成する細胞骨格がその移動を制限するためじゅうぶんな神経新生をおこなうことができていない。

これまで神経芽細胞がだすSlitタンパク質とアストロサイトのRobo受容体間のシグナル伝達で神経芽細胞の移動が誘導されると考えられてきた。

この神経芽細胞が移動しやすくなることで脳卒中の神経新生と機能回復をうながすことができるものか、実験してみたそうな。




人為的に脳梗塞にしたネズミの脳に、Slitタンパク質を過剰分泌するよう遺伝子改変した神経芽細胞を移植して通常の神経芽細胞と比べたところ、


次のようになった。

・この神経芽細胞は通常細胞よりも 脳の損傷部位で成熟し神経細胞として定着して、

・機能の回復もあきらかにすぐれていた。

Slit-Roboシグナル伝達の仕組みをつかって神経のもとになる細胞を適切な位置に誘導し定着させ機能回復をうながす方法をしめすことができた、


というおはなし。

図:slit Robo 神経芽細胞の移動

感想:

日本ではインチキ再生医療クリニックが野放しになっているいっぽう、iPS細胞以外にも期待できる研究がいくつもある。↓
ミクログリアを味方にして慢性期脳梗塞を治療する方法

Stroke誌:ラクナ梗塞はミューズ細胞で治る

iPSを超えた 脳卒中に適した新たな細胞治療とは

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