2019年11月23日

SSRIでリハビリははかどるのか?


Use of Selective Serotonin Reuptake Inhibitors and Outcomes in Stroke Rehabilitation- A Prospective Observational Pilot Cohort Study
2019  11月  シンガポール

脳卒中リハビリテーションをうながす薬物療法としてSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)が期待されている。

SSRIには炎症をおさえ、血管新生 神経新生をうながし、成長因子の分泌、皮質機能の再編をすすめる働きがあるとされている。

じっさいフランスでの SSRIフルオキセチンを用いた脳卒中の運動機能回復についてのFLAMEトライアル(2011年)では白人を対象に良好な成果が報告されている。

そこでアジア人ではどうか、実験してみたそうな。



シンガポールの2つのリハビリテーション施設に入院中の患者57人について、
SSRIの使用の有無と、
機能的自立度FIM, 改訂バーセルインデックスMBIおよびQoLアンケートの結果との関連を解析したところ、



次のことがわかった。

・57人のうち38.6%がSSRIを使用していた。

・SSRIの使用とMBIおよびQoLスコアのゲインにあきらかな関連が見られたが、

・関係する因子で調整すると有意さはなくなった。

・PTおよびOTのセッション回数の増加とFIMとMBIの改善度には関連がみられた。

アジア人脳卒中患者へのSSRIを併用したリハビリテーションで障害やQoLが改善するわけではなかった、


というおはなし。

図:SSRIと脳卒中リハビリ



感想:

SSRIのむつかしい薬理的はたらきを匂わせておきながら、実際は患者を薬でハイにした勢いで訓練回数を増やしてしまおう、というシンプルな発想のようだ。

これ↓2018年。
ランセット誌:脳卒中の抗うつ薬は役に立たない

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