元
2020 5月 イタリア
神経疾患患者の歩行でのCPG(central pattern generator)メカニズムの改善のために、後方歩行が推奨されている。
また、ボツリヌス毒素A型は、脳卒中後の痙縮に対する有効でかつ安全な治療法と考えられている。
そこで、ボツリヌス毒素A型治療を受けている慢性脳卒中患者の歩行障害を、後方トレッドミルトレーニング(BTT)と標準的な前方トレッドミルトレーニング(FTT)で比較してみたそうな。
慢性脳卒中患者18人を、ボツリヌス毒素A型治療への追加としてBTT(n = 7)またはFTT(n = 11)に無作為に割り付けた。
BTTまたはFTTのいずれかの40分のセッションを合計12回(3セッション/週、4週間)実施した。
盲検の評価者が治療前後の患者を評価した。主要転帰は10m歩行試験(10MWT)であった。
副次的転帰は、修正アッシュワース尺度、歩行分析、安定度評価であった。
次のようになった。
・群間比較では、治療後の10mWTおよび安定度評価(開眼時と閉眼時での、圧心CoPおよび動揺領域のおおきさ)に有意な改善が認められた。
慢性脳卒中患者におけるボツリヌス毒素治療の補助としてトレッドミルを使った場合,前方トレーニングよりも後方トレーニングの方が歩行とバランスの改善が大きいことが示された、
というおはなし。
感想:
公道を後ろ向きに歩く気持ち良さは、行く手の状況がよくわからないドキドキ感にあると思う。
