元2020 5月 中国
脳卒中後のうつは患者のおよそ30%が経験するとされ、治療としてSSRI系の薬が用いられることもあるが十分な効果は得られていない。
小脳の室頂核への刺激 fastigial nucleus stimulation (FNS) は脳虚血にたいする神経保護効果や抗炎症効果が報告されていて、動物実験でうつや認知機能の改善効果も期待されている。
FNSを非侵襲的におこなう percutaneous mastoid electrical stimulator (PMES:乳様突起電気刺激) は中国では脳血管機能療法の専用装置として使用されている。
しかしPMESの脳卒中後うつについての報告はほとんどないのでくわしくしらべてみたそうな。
発症から14日以内で、脳梗塞でうつの患者258人について、
PMES+抗うつ薬 125名、
偽刺激+抗うつ薬 133名、にわけた。
2つの評価指標の、
うつ Hamilton Rating Scale for Depression (HRSD)と、
認知機能 Montreal Cognitive Assessment (MoCA)、を二重盲検で6ヶ月間フォローしたところ、
次のようになった。
・うつの緩和をしめした患者の割合は、 57.6% vs. 41.4% であきらかにPMESグループにおおかった。・6ヶ月後のHRSDスコアの改善度もPMESグループで有意に高かった・MoCAスコアが26を下回る割合は 12.0% vs. 24.1%でPMESグループが低く、その改善度もPMESグループが高かった。