元2020 6月 日本
脳卒中後のけいれん発作(seizure)には1週間以内におきる早期タイプと、それ以降におきる遅発タイプがある。
これらのメカニズムはまったく異なり、早期タイプは一過性のものであるが、遅発タイプの7割以上は何度もくりかえし てんかん(epilepsy)となる。
そこで、脳卒中後のてんかんの予測因子をくわしくしらべてみたそうな。
複数施設の436人の脳卒中患者を3年間フォローして、
脳卒中から8日目以降のけいれん発作(てんかん)の有無をしらべ、ベースライン条件との関連を解析したところ、
次のことがわかった。
・436人のうち26人が遅発性けいれん発作をおこした。発症率は5.96%だった。・女性、くも膜下出血、出血性病変、大脳皮質性病変、前頭葉病変、がてんかんのリスク因子だった。・とくに、出血性病変と皮質病変は独立したてんかんのリスク因子であり、・これら2つの条件をもつ脳卒中患者のてんかん発症率は15.4%だった。
脳卒中後てんかんは脳卒中の発症後3年以内にほぼ6%の患者で発症する。出血性脳卒中と皮質下病変はてんかん発症と有意に関連している。したがって、これら2つのリスク因子を有する脳卒中患者には抗てんかん薬の予防投与が有用であると考えられる、
というおはなし。
感想:
てんかん問題はよく解明されているようでそうでもない。