元2020 8月 台湾
嚥下障害は脳卒中後の合併症としてめずらしくない。
アイスキャンディーや唐辛子で症状が改善するといった報告があるがいずれもサンプル数が小さい。
そこで、アイス刺激とカプサイシン刺激を組み合わせたときの効果をくわしくしらべてみたそうな。
脳卒中で嚥下障害の患者92人を2グループに分け、
生理食塩水の氷を染み込ませた綿棒で喉の奥を刺激したのちの飲み込み訓練を昼食 夕食まえに20分間x週3回x3週間おこなった。
いっぽうのグループには生理食塩水にカプサイシンを混ぜた氷をつかった。
嚥下機能を water swallowing test (WST)および Standard Swallowing Assessment (SSA)で評価した。
次のようになった。
・SSAスコアは両グループでおおきく改善した。とくにカプサイシングループの改善は有意にすぐれていた。・WSTレベルⅠ-Ⅱに相当する良好患者の数もカプサイシングループで有意におおかった。・神経ペプチドで痛覚伝達物質の1つである「サブスタンスP」の濃度もまたカプサイシングループで有意に高かった。
冷感とカプサイシンを組み合わせた刺激は嚥下障害の改善に効果があった、
というおはなし。
感想:
「辛いもの食べさせればいい刺激になる」って考えは、電気や鍼などの難しい刺激を研究してきた者にとっては身も蓋もない乱暴なアイデアに思える。
けど「嚥下障害 カプサイシン」で検索するとけっこうヒットする。オレが知らなかっただけか?
