元2020 8月 アメリカ
脳卒中でリハビリ入院する患者の半数はMCA(中大脳動脈)域の損傷患者である。
左MCAの患者は右MCA患者よりも神経症状が重く死亡率も高いという。
MCA脳卒中の左右脳でのリハビリ回復の差についての報告はないので、FIM(機能的自立度評価)の点からくわしくしらべてみたそうな。
2015-2017のMCA脳梗塞でリハビリ入院した患者38812人の記録を解析した。
おもな評価指標として、
FIMの6つのサブカテゴリー(セルフケア、括約筋コントロール、トランスファー、ロコモーション、コミュニケーション、社会的認知)について、
平均FIM効率(1日あたりのFIM利得)を左右のMCA別に比較した。
また、入院時FIMで重症度を、40未満、40-80、80より大、と分類し、入院期間と自宅退院率も検討した。
次のことがわかった。
・平均FIM効率は左MCA脳卒中が右の患者よりも有意に高かった。・入院時FIMが40未満及び40-80の左MCA患者では、FIMの大部分のサブカテゴリーにおいてFIMの効率が有意に高かった。・しかし入院時FIMが80を超える場合、左右のMCAでこれらの差はみとめられなかった。・全体的に、左MCA患者は自宅退院が多く、・入院時FIM40-80の左MCA患者は右にくらべ入院期間が2日短かった。