元2020 8月 ギリシャ
脳卒中患者の21-38%は失語症を経験するという。
失語症の治療には通常、言語聴覚療法(speech and language therapy:SLAT)が行われるがじゅうぶんな効果は得られていない。
薬物療法やrTMSなどの脳刺激法にも公式に認可されたものはない。
いっぽう、脳卒中後の代替療法としてエクササイズトレーニングがよく利用される。
また、音楽リスニングによる脳の構造や機能の可塑的変化、辺縁系でのドーパミン調節効果が報告されている。
そこで、音楽を聴きながらのエクササイズトレーニングが失語症へおよぼす影響について実験してみたそうな。
脳卒中で失語症の患者79人について、
通常のリハビリのみのグループと、
エクササイズしながらの音楽リスニングを加えたグループを作り、
6ヶ月後までCT脳血流検査も含めてフォローした。
エクササイズ音楽リスニンググループでは、被験者の若い頃に流行った馴染みの深い音楽を選び、エクササイズセッション45分のあいだ流し、週4回x6ヶ月間継続した。
次のようになった。
・患者全体の64.5%で失語症が改善した。・このうち、エクササイズ音楽リスニンググループが40.5%、通常リハビリのみのグループが24%を占めていた。・失語症の改善と損傷脳半球の脳血流が関連していた。
脳卒中で失語症の患者を、なじみのある音楽が聴こえる環境下でエクササイズさせたところ、失語症の改善が促された、
というおはなし。
感想:
失語とエクササイズをむすびつける動機がいまひとつ理解できなかったが、楽しそうなので「良し」とした。
