元2020 8月 中国
神経障害による疼痛やうつなどの薬物臨床試験のメタアナリシスにより、これらの効果のかなりの割合をプラセボ効果が担っていることがあきらかになってきた。
薬物療法以外のたとえばrTMS(反復経頭蓋磁気刺激)のような治療法でのプラセボ効果を系統的に調べた報告はまだない。
rTMSは脳卒中後の運動機能の回復やうつに効果があるとされている。対照群としてのsham(偽)刺激の方法は研究によりまちまちで、偽コイルの使用、コイル位置をずらす、コイル角度や刺激強度を弱める、などの方法がとられている。
そこで、脳卒中患者のrTMS治療でのプラセボ効果についてメタアナリシスをこころみたそうな。
2019年5月までの脳卒中患者へのrTMS治療のランダム化比較試験を厳選した。
偽刺激でのrTMSの治療前後の運動機能回復の効果量をもってプラセボ効果とした。
次のことがわかった。
・プラセボ群381人を含む26の研究がみつかった。・このときの推定効果量は0.466で、運動回復に対するプラセボ効果として中等度でかつ有意なレベルであることを示した。・実刺激に対する偽刺激の効果の比は56%であった。・治療回数がプラセボの効果量と有意に関連していた。・治療後のフォロー観察では、偽刺激群の運動回復は若干低いものの、実刺激群と同様に3ヶ月間つづく改善傾向をしめした。
脳卒中後の運動回復にたいするrTMSのプラセボ効果は中等度ではあったが有意なものであり、治療回数が効果に影響していた、
というおはなし。
感想:
脳に磁気刺激がとどいていようがいまいが、「磁気刺激治療を受けているわたし」という気持ちだけで効果の56%が生み出されていたということ。
tDCS(経頭蓋直流電気刺激)も同様で、こちらはほぼ100%気のせい。
なぜなら、、、