元2020 9月 アメリカ
外傷性の頭蓋内出血(TICH)は外傷後の脳神経外科診察でもっともよくあるパターンの1つである。
神経症状の悪化、初期血腫の大きさ、骨折の有無、抗凝固薬の使用によっては、頭部CT検査を繰り返すこと(repeat computed tomography of head:RTCH)が勧められている。
しかし慢性的なアルコール使用は、一般的にRTCHの適応とは考えられていないので、くわしく確認してみたそうな。
マサチューセッツ州のレーヘイホスピタルに過去3年間に入院したTICH患者1330人のうち、
入院時の血小板数が正常だった423人の記録を解析対象とした。
次のことがわかった。
・423人のうち93人はアルコール依存症だった。・彼らの平均年齢は、アルコール非依存71.9歳、アルコール依存54.8歳だった。アルコール依存者には有意に男性がおおかった。・出血の進行には両群で有意な差があり、RTCHが悪化した者の割合はアルコール依存では16.1%だったのにたいし、アルコール非依存では6.7%にすぎなかった。・慢性期的なアルコール使用は、血小板数正常者での出血拡大の独立した予測因子であった。
