元2021 3月 台湾
脳卒中患者の救急入院までの時間を短縮するためにFASTキャンペーンが行われてきた。
FASTは脳卒中の初期症状と対応を face, arm, speech, time として、人々にシンプルに伝えることができる。
しかし英語を母語とする人口は世界の5%程度に過ぎない。そこで言語によらずユニバーサルに通用する脳卒中キャンペーンとして、「112」が2018年に考案された。
112は70ヶ国以上が採用する救急番号でもあり、それを 1→顔、1→腕、2→言葉のもつれ、に関連付けて教育するというものである。
これらFASTと112のキャンペーンの記憶効果を、台湾人を対象にくらべてみたそうな。
いずれのキャンペーンにも馴染みのない
参加者をランダムにFAST群、112群に分けて、
内容について30分間の説明を行ったのち、
5日後と30日後に記憶内容を電話で確認、比較した。
次のようになった。
・FAST群202名、112群193名で調査が完遂した。・教育を受けてから5日目と30日目の想起成績に両群で差はなかった。・両キャンペーンともに、5日目の想起成績は、顔と腕のサインのほうが言葉の異常よりも高かった。・30日目の想起成績は腕のサインのみ同レベルだった。・FAST群では教育歴7年以上の者で想起成績が良く、112群では高齢や脳卒中歴があると成績がわるかった。