元2021 6月 アメリカ
閉経後の女性には、脳動脈瘤やくも膜下出血の発生率が高いと言われている。
集団ベースの研究では、脳動脈瘤のある閉経後女性にエストロゲンなどのホルモン療法が有効であることが示唆されているものの、がんや脳梗塞の副作用もあるとされ推奨はできない。
大豆由来で、エストロゲン様作用をするダイゼインは、腸内細菌によりエクオールとなる。エクオールもまたエストロゲン受容体に作用する。
そこで、ダイゼインおよびエクオールが脳動脈瘤の形成予防に役立つ可能性について動物実験してみたそうな。
卵巣摘出した高血圧マウスの脳脊髄液中にタンパク質分解酵素を注入して脳動脈瘤ができやすい状況にした。
これらマウスにダイゼインを加えた食事や、エクオールの腹腔内投与、抗生物質の経口投与を組み合わせた。
また、エストロゲン受容体をノックアウトしたマウスも使用した。
次のことがわかった。
・ダイゼインまたはエクオールを与えたマウスは脳動脈瘤ができにくかった。・これら脳動脈瘤保護効果にはエストロゲン受容体が必要だった。・抗生物質で腸内細菌を死滅させるとダイゼインの脳動脈瘤保護効果が消失した。・エクオール投与のマウスでは、脳動脈での炎症性サイトカインが低下した。
食事から摂るダイゼインとその代謝産物であるエクオールは、エストロゲン受容体の活性化にともなう炎症の抑制を介して脳動脈瘤の形成を予防することがわかった。閉経後女性のくも膜下出血予防にダイゼインやエクオールが使えるかも、、
というおはなし。
感想:
ウィキペディアみるとダイゼインは大豆食品で補給できるけれど、これをエクオールに変換できる腸内細菌をもったひとは30-50%しかいないという。
検索すると、エクオールはサプリメントとして豊富にでてくる。