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2021年6月29日

サラサラ薬使用者で脳内出血の末路

2021  6月  オランダ


抗血栓薬使用の有無は脳内出血後の転帰に影響を与える。

しかし、抗血栓薬の種類ごとの影響についてはエビデンスがすくないので、くわしくしらべてみたそうな。



アムステルダム医療センター2007-2019の脳内出血患者について、

抗血栓使用の有無および90日後の転帰不良(mRS4以上)と死亡率を評価した。

抗血栓薬として、ビタミンK拮抗薬(VKA)、抗血小板薬(AP)、経口直接凝固薬(DOAC)別に分析した。



次のことがわかった。

・916人の患者(AP223人、VKA161人、DOAC40人の計424人含む)を対象とした。

・VKAとAPは転帰不良と有意に関連していた。

・抗血栓薬の使用者は、なしの患者にくらべて生存率があきらかに低かった。

・調整後、APとDOACの生存率は、VKAよりも高かった。


抗血栓薬使用者は脳内出血後の転帰が悪く、死亡リスクも非常に高かった、


というおはなし。
サラサラ薬の種類と脳内出血転帰
mRS6の黒いバーが死亡を意味する

感想:

この種の論文を読んでいると、
いつも脳内出血患者の半数ほどはサラサラ薬使用者が占めている。

素人目にはサラサラ薬が原因で出血したように見えるのだけれど、彼らは決して薬のせいとは言わない。自然に発生した(spontaneous)としている。

脳卒中全体に占める脳梗塞の割合は75%、脳内出血は15%という。
脳梗塞の年間再発率が10%くらいだから、これらを考え合わせると、

サラサラ薬によって予防できたはずの脳梗塞を相殺してあまりあるほどに、サラサラ薬はあらたな脳内出血を生み出してしまっている、と私は考える。

だからもし自分がサラサラ薬を勧められることになったら、たぶん断る。



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