元2021 7月 アメリカ
脳卒中後の運動障害は、発症後数カ月間のうちに、その失われたぶんの運動機能の70%が自発的に回復する。これを比例回復則とよぶ。
しかし、重度の障害があった患者では比例回復則に当てはまらない。
健康関連QoLが比例回復則と関連するものかどうか、くわしくしらべてみたそうな。
2017年の脳梗塞患者84人(平均年齢68)について、
3ヶ月後の運動機能を、Fugl-Meyer 上肢(FM-UE)およびMotricity Index(腕、脚、体幹のコントロール)で評価した。
最大可能スコアゲインの70%以上を達成した患者を「比例回復者」とした。
健康関連QoLは、Neuro-QOLの上肢、抑うつ、認知の3ドメインで評価した。
次のことがわかった。
・FM-UEおよびMotricity Indexの両方での比例回復者の割合は48.8%だった。・Motricity Indexで比例回復しなかった患者は抑うつの程度が強かった。・FM-UEで比例回復しない患者と健康関連QoLの関連はなかった。
気分の問題以外では、比例回復則をみたさない患者の健康関連QoLは必ずしも損なわれていなかった、
というおはなし。
感想:
比例回復則をひとことで言うと、「治る患者はほっといても治る」。
数年前に話題になったが、身も蓋もない結論のため、いまでは口にする者がほとんどいなくなった。