元2021 9月 アメリカ
無症候性の脳血管障害(Silent cerebrovascular disease:SCD)は、無症候性の脳梗塞(silent brain infarction:SBI)と白質病変(white matter disease:WMD)を指し、MRIやCT検査で偶然にみつかることがおおい。
これらの予後についてはよくわかっていないので、
偶然にSCDがみつかった患者の将来の脳卒中発症リスクについてくわしくしらべてみたそうな。
2009-2019年に、50歳以上で脳卒中の既往のない、MRIやCT検査を受けた患者を対象とした。
SBIやWMDの有無は画像レポートから自動抽出して判定した。
その後の脳卒中の発生との関連を解析した。
次のことがわかった。
・画像診断を受けた262875人のうち、5%がSBIで、29.8%がWMDだった。・その後の脳卒中の発生率は、SBI群では年間1000人あたり32.5人、WMD群では19.3人、SCDなし群では6.8人だった。・このときの脳卒中発生率は、SCDなしにくらべて、SBIありだと3.40倍、WMDありでは2.63倍だった。
無症候性脳梗塞と白質病変は偶然発見されることがおおく、その後の脳卒中発生率の高さと関連していることから、予防を心がける良いきっかけになる、
というおはなし。
感想:
30年くらいまえ、ボランティア被験者になった大学教授の脳をMRIで撮ったら、小さな梗塞跡がいっぱいみつかって気まずかった思い出。
