元2022 9月 中国
くも膜下出血の15%ほどは動脈瘤がみつからず、そのおおくは中脳周囲へ出血するタイプである。
非動脈瘤性の中脳周囲くも膜下出血(PNSAH)は1985年に報告され、2000年以降いちじるしく増加している。
PNSAHは予後が非常に良い。しかしその病因は不明であるので、現況のレビューをこころみたそうな。
次のことがわかった。
・中脳周囲くも膜下出血の5-7%には、よーく検査すると動脈瘤がみつかる。・出血源としての脳底動脈や微小動脈瘤の報告もあるが、中脳周囲の深部静脈の破裂説が有力視されている。・これら静脈の破裂は息こらえや身体労作に関連している可能性がある。・PNSAHでの水頭症や血管攣縮の発生率は非常に低く症状も軽い。・PNSAHの症状は90%に頭痛、70%に吐き気嘔吐、24%に項部硬直がみられる。・96%の患者は意識レベルが正常である。・頭痛や水頭症は数日で自然に消える。・長期的にも死亡はほとんどなく、機能回復はmRS0-2の良好者が90%以上を占める。・再出血もまれである。
非動脈瘤性の中脳周囲くも膜下出血は、深部静脈破裂説が有力で、症状が軽く、合併症率も低い。保存治療で再出血もなく機能回復も良い、
というおはなし。
感想;
くも膜下出血で動脈瘤がみつかると日本では、たとえ軽い頭痛しか症状がなくても、鎮静剤で患者の意識を失わせ身体拘束したうえでむりやり動脈瘤の手術をおこなう習慣がある。
しかし、動脈瘤がみつからない場合は保存治療しか選択肢がない。にもかかわらず、再出血もなく予後は非常に良い。
ほんとうに動脈瘤が破裂していてクリップやコイルが必要なんですかね?
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