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2022年11月1日

フローダイバーター対コイル治療の比較

2022  9月  中国


パイプライン塞栓デバイスいわゆるフローダイバーターは脳動脈瘤を塞ぐために広く用いられている。

しかしその有効性や安全性が従来のコイル治療よりも優れているかどうかについては結論がでていないので、メタアナリシスをこころみたそうな。



2022年4月までの脳動脈瘤の塞栓術におけるフローダイバーターと従来のコイルを比較した研究を厳選して、データを統合 再解析した。



次のことがわかった。

・1400人の患者を含む10件の研究が対象となった。

・フローダイバーター群は、従来コイル群とくらべて、最終フォローアップ時の完全閉塞率が高く、再治療率が低かった。

・手術に関係した脳出血や他の合併症については、フローダイバーター群の発生率が数倍高かった。

・最終的な転帰良好者の割合もフローダイバーター群は有意に少なかった。

・手術に関係した脳梗塞については両群で差はなかった。


フローダイバーターは従来のコイルにくらべて瘤の完全閉塞率が高く再治療率が低かったが、手術にともなう脳出血や神経障害を引き起こす可能性が高く、良好な転帰を示す患者はあきらかに少なかった、


というおはなし。
フローダイバーターの図


感想:

脳動脈瘤の血管内治療はおかしい。

治療によって再出血や死亡する率が下がるという証拠を示そうとするのではなく、

いつのまにか閉塞率や再開通率の問題にすり替わっている。

閉塞率がはるかに高いクリップ治療ですら、その効果を証明できる臨床試験結果はいまだ存在していないのに。



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