元2022 12月 デンマーク
脳性色覚異常は、脳損傷による後天的な色覚異常であり、いっぱんにはまれな疾患と考えられている。
色覚には両脳半球が関わるとされているが、症例のおおくは両側または右半球の病変である。
また、特定の色相の識別にのみ影響する先天性の色覚異常とは対照的に、脳性色覚異常はすべての色の知覚に影響すると考えられている。
これまでの研究のおおくは症例報告だったので、後大脳動脈域の脳卒中患者63人に限定して色覚異常の有無をくわしくしらべてみたそうな。
次のことがわかった。
・Farnsworth D-15 Test にて、22%の患者が色の識別に著しい問題を示した。内訳は、両側病変患者の44%、左側病変の28%、右側病変の5%だった。・左半球の腹側後頭葉の2つの領域が色覚障害と強く関連していた。両側性病変もまた、色覚異常と強く関連していた。・色覚異常の患者の梗塞体積は 65 vs. 29 cm3 で有意に大きかった。・おおくの患者はある色相にのみ影響する障害だった。
後大脳動脈域の脳卒中患者における色覚異常はめずらしくなかった。これまでの報告とはことなり、色覚は左脳優位の両側処理であることが示唆された、
というおはなし。
感想:
脳卒中後の「色覚異常」についてははじめて知った。