元2023 3月 イギリス
脳卒中のリハビリテーションにおいて、身体的な運動がむつかしいばあいには動作観察療法(AO)や運動イメージ療法(MI)が用いられる。
それぞれを独立して行うよりも、組み合わせることで相乗効果が得られるとする報告があるので、上肢リハビリのカップスタッキング課題についてその効果を検証してみたそうな。
難度のことなる4種類のカップスタッキング課題および、
AO+MI、AOのみ、MIのみ、コントロール、の4種類の介入方法をグラエコ・ラテンスクエアデザインにて組み合わせて、平均年齢64脳卒中で上肢障害の慢性期患者10人で5週間のトレーニング実験をおこなった。
各訓練ではカップスタッキング課題の1人称視点での映像の観察または感覚や努力のイメージに努めた。
次のようになった。
・全体として、平均実行時間は介入まえに比べてトレーニング後に有意に短縮された。・トレーニングから2週間後の効果保持テストでは、AOとMIの組み合わせが、MIやコントロールのみとくらべて有意に実行時間が短かった。・個々の参加者からQoLの向上やAOとMIの組合せのトレーニングの快適さについての報告があった。
身体トレーニングが適さない場合の、動作観察と運動イメージの組合せトレーニングは慢性期脳卒中患者の神経リハビリテーションの有効な補助手段になりうる、
というおはなし。
感想:
観るだけ、想うだけではなく、できるだけ多くの感覚器官を動員するとより効果的ってこと。