元2023 7月 アメリカ
急性脳梗塞(AIS)に対する血栓溶解薬アルテプラーゼの使用に関連した医療過誤への法的な訴え手続きは、通常合併症よりもむしろ治療の失敗にたいするものである。
AIS治療のスタンダードとして機械的血栓除去術(MT)が登場したことで、より高度な医療を提供する必要性が生じ、このような治療に伴う遅延や過誤の可能性が生じるため、医療訴訟には新たな局面が加わった。
機械的血栓除去術(MT)に関連した過誤の原因に関する情報は、不足しているのでくわしくしらべてみたそうな。
2021年3月までにアメリカで提訴された、AISに対するMTの実施/不実施に関連する医療過誤事例を特定するため、法的データベース(Westlaw、LexisNexis、Google Scholar Case Law、VerdictSearch)のシステマチックレビューをおこなった。
次のことがわかった。
・25の事例がみつかった。そのうち16件はMTによる治療の失敗を、8件は治療の遅れによる損害を、1件は合併症を主張したものであった。・根本原因としては、血管撮影の遅れ、コミュニケーション不全、搬送の遅れなどがあった。・8件は被告に有利な判決で、9件は原告に有利な判決、8件は未確定であった。
血栓溶解薬のアルテプラーゼと同様、急性脳梗塞に対する機械的血栓除去術に関する過誤の申し立ては、合併症とは対照的に、治療の失敗や遅れが主な原因であった、
というおはなし。
感想:
いまは「なぜすぐに機械的血栓除去術をやってくれなかったんだ」と怒っている段階。
やがて「なんでこんなヤバい治療を野放しにしてんだ!」となる↓。