元2023 7月 台湾
脳卒中は血管系の慢性炎症が特徴のアテローム性動脈硬化により引き起こされる。
いっぽう、口腔衛生は全身の健康に極めて重要であり、歯周炎のおもな原因菌は動脈硬化プラークにも存在する。
歯垢や歯石を除去するデンタルスケーリングが脳卒中発生率の低下と関連することがわかっている。
しかし脳卒中の転帰とデンタルスケーリングとの関連はわかっていないので、くわしくしらべてみたそうな。
台湾では国民に半年に1度のデンタルスケーリング(DS)が推奨されていて無料で受けられる。
2010-2017年の国民健康保険の請求データから、
脳卒中の発症前24ヶ月間にDSを4回受けた患者と、他の条件のマッチするDSをまったく受けていない患者を、それぞれ49547人ずつ抽出して転帰を比較した。
次のことがわかった。
・定期的にDSを受けていた脳卒中患者は、DSなしの患者とくらべて、脳卒中後の肺炎、敗血症、尿路感染症、集中治療、院内死亡のリスクが有意に低かった。・また、DSを定期的に受けていた患者は入院期間が短く、かかった医療費も有意に少なかった。・有害な転帰発生は性別、年齢層、によらず定期DS群で有意に低かった。