元
高齢脳卒中経験者における虐待の発生率と危険因子に関する理解は、現在のところ不足しているのでくわしくしらべてみたそうな。
南方医科大学順徳病院救急部で治療を受けた65歳以上の脳卒中患者485人を対象に、高齢者虐待に関する質問票を用いて面接を行った。
次のことがわかった。
・参加者の62.27%が高齢者虐待を経験したと報告し、そのうち14.85%が2つ以上のサブタイプ(ネグレクト、エモーショナル、フィジカル、ファイナンシャル)の虐待を受けたと回答した。
・老人ホーム入居、低所得、喫煙などの因子は、高齢者虐待および4つのサブタイプすべての虐待を経験する可能性を高めることがわかった。
・さらに、年齢が高くなることは、虐待全体の発生には影響しないものの、4つのサブタイプすべてを経験するリスクが高くなることと関連していた。
・高齢者自身による4種類の虐待の自己報告率は、介護者による報告に比べ高かったことは注目に値する。
・高齢者虐待は脳卒中生存者における不眠症の有病率を有意に増加させた。
高齢脳卒中経験者への虐待は、特に介護施設入居者、低所得者、喫煙者に多くみられ、さらに不眠症があきらかにおおく発生した、
というおはなし。
感想:
ネグレクト(Neglect): 高齢者の基本的なケアやニーズに対する無視や怠慢が含まれます。これには、食事、水分摂取、衛生、医療、運動、社会的交流などがあります。
エモーショナル(Emotional): 高齢者に対する感情的な虐待や精神的な虐待です。これには、名誉毀損、侮辱、脅迫、孤立、愛情の剥奪などがあります。
フィジカル(Physical): 高齢者に対する肉体的な虐待です。これには、打撲、切り傷、骨折などの身体的傷害、または薬物の不適切な使用などが含まれます。
ファイナンシャル(Financial): 資産や金銭に関連する虐待です。これには、詐欺、強奪、信託の乱用、遺言書の改ざんなどがあります。」