元2024 6月 中国
脳内出血(ICH)は死亡率が高く、治療の選択肢が限られている重症タイプの脳卒中である。
高血圧のような典型的な危険因子はよく研究されているが、ICHの急性誘因としての情動ステータスの役割は不明なままである。
そこで、メンデルランダム化(MR)解析を用いて、心配や不安といった情動的特徴とICHとの「因果関係」をくわしくしらべてみたそうな。
MR解析では、特定因子への暴露が出生前に遺伝的に無作為化されているため、選択バイアスや交絡バイアスの影響を受けにくく、因果関係の推定がしやすい。
感情的特徴とICHの情報をふくむゲノムワイド関連研究(GWAS)からのデータを活用し、2標本のMRアプローチを用いた。
主な分析には、データの重みを考慮した「逆分散加重法」という方法を使い、また、結果の信頼性を高めるために、「最大尤度法」と「MR PRESSO法」という方法で確認をおこなった。
次のようになった。
・MR解析の結果、感情形質のうち「心配性・不安な感情」とICHとの間には、195の操作変数(SNPs)によって裏付けられた強固で有意な因果関係があることが明らかになった。・このときのオッズ比(OR)は2.98(95%CI:1.16, 7.61)で、p値は0.0229であった。・感度分析によってこれらの所見が裏付けられ、結果の信頼性が高まった。・対照的に、"ナーバスさ "や "敏感さ・傷つきやすさ"などの他の感情特性は有意な関連を示さなかった。
遺伝的に予測される心配や不安といった感情的特性と脳内出血の発生率との間に「因果関係」があることがわかった、
というおはなし。
感想:
たしかに、心配性で不安もちだわ。
おかげで脳内出血を経験できたし、疑り深くなれた。
