元2024 9月 台湾
脳卒中後に発作(けいれんor非けいれん)やてんかんが発生することはよく知られているが、これが認知症リスクにどのような影響を与えるかは十分に理解されていない。
そこで、脳卒中後の発作(PSS)やてんかん(PSE)が認知症の発症リスクに与える影響を、台湾の全国的なデータを用いてくわしくしらべてみたそうな。
2009年から2020年の台湾の全国健康保険データベースから、2010年から2015年に脳卒中を発症し、既存の神経疾患がない患者を対象とした。
発作やてんかんを発症した患者と発症していない患者を年齢、性別、脳卒中の重症度などでマッチさせ、5.2年間の平均追跡期間で認知症の発症を調査した。
次のようになった。
・対象となった62,968人の脳卒中患者のうち、60.3%が脳梗塞、39.7%が脳出血であった。・発作やてんかんを発症した患者では、認知症の発症率が15.9%に達し、発作がなかった患者の8.4%と比べて有意に高かった。・さらに、年齢や性別、脳卒中の重症度に関わらず、発作やてんかんが認知症リスクを高めることが確認された。・特に男性においては、発作やてんかんと認知症の関連が強かった。
脳卒中後の発作やてんかんが認知症リスクを有意に高めることが明らかになった。この結果により、脳卒中経験者における発作やてんかんの早期スクリーニングと適切な管理が重要であることが示唆された、
というおはなし。
感想:
発作Seizuresは、脳に異常な電気活動がある状態で、かならずしもけいれんをともなうわけではない。てんかんはこの発作が習慣化したもの、とのこと。
