元2024 10月 韓国
瀉血(しゃけつ)は、東アジアの伝統医学で用いられる治療法で、特に韓国や中国で古くから脳卒中のリハビリに活用されてきた。
そこで、中国で行われた17の研究を対象に、瀉血が急性脳卒中の回復にどの程度有効か、安全性はどうかをくわしくしらべてみたそうな。
中国で実施された瀉血のランダム化比較試験(RCT)を対象とし、瀉血の効果と安全性を検証した。
瀉血の方法としては、特定のツボに小さな針を刺して数滴の血液を放出する技法が用いられた。これは、急性脳卒中患者の神経機能や運動機能の回復を促すことを目的としている。
なお、広範囲で血液を吸引する湿式カッピング(ヒジャマ)は含まれておらず、瀉血のみに焦点を当てた。
研究は、瀉血群と非瀉血群で結果を比較し、神経機能や日常生活機能の改善度、運動機能の向上、安全性に関するデータを統合(メタアナリシス)した。
次のことがわかった。
・瀉血を受けた患者は、神経機能(特にNIHストロークスケールと中国ストロークスケールで測定)の改善が統計的に有意に見られた。・また、運動機能(上肢や下肢のFugl-Meyerスケールで測定)も改善し、瀉血がリハビリに効果的である可能性が示唆された。・ただし、日常生活機能(Barthel指数)への影響は限られており、効果の範囲が限られていることもわかった。・また、瀉血による重大な副作用は報告されておらず、安全に行える補助療法と考えられる。
このメタアナリシスにより、瀉血が急性脳卒中の神経機能と運動機能の改善に寄与する可能性が示されたが、日常生活の質を大きく変える効果は確認されなかった。瀉血は比較的安全であり、西洋医学の治療を補完する手段として活用できる可能性がある。ただし、この研究はすべて中国で行われたものであり、サンプルサイズも小規模であるため、更なる大規模で多国籍な検証が望まれる、
というおはなし。
うごくよ
感想:
いまどき「瀉血!」ときいて可笑しくなった。
けど、少量の血液を外に捨てる程度のことは、近所のクリニックがやってる再生医療や血液クレンジングなんかに比べるとはるかに安全だわな。
しかもランダム化比較試験でポジティブさが示されているぶん桁違いにマシ。
