元2024 10月 中国
脳卒中と社会経済的地位(SES)との関係は、これまでに複数の研究で示唆されてきたが、その因果関係については明確ではなかった。
そこで、年収と教育レベルといったSESの要素が脳卒中リスクにどう影響するのかをあきらかにするべく、メンデルランダム化解析をこころみたそうな。
イギリスのUK Biobankデータを用い、372,437人を対象に脳卒中リスクを分析した。
平均12年間の追跡期間中に、約2.7%(6,457人)が脳卒中を発症した。
このリスクとSESの因果関係を検証するため、メンデルランダム化(MR)解析を採用した。
MR解析は、遺伝子情報を活用することでSES(ここでは年収や教育水準)と脳卒中リスクとの因果関係を見極める手法である。
次のことがわかった。
・年収が52,000〜100,000ポンド(約900万〜1,800万円)の層が最も低い脳卒中リスクを示した。・さらに、18歳以上まで教育を受けた人々でも同様にリスクが低かった。・このリスク低減効果は、特に高血圧が主要な媒介因子として機能していることが分かった。・具体的には、収入が高い人々では高血圧を管理しやすく、これが脳卒中の予防につながっていると考えられる。
高い社会経済的地位(SES)が脳卒中リスクを低減する直接的な因果関係が示された。特に年収や教育水準の高さが高血圧の管理を通じて脳卒中予防に寄与している。これにより、SESの低い層に対する早期の高血圧対策が脳卒中予防の有効な手段であることが明らかとなった、
というおはなし。
感想:
貧しさが高血圧をまねくってこと。
納得しかない。
