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2024年10月19日

失語症患者の孤独が限界突破?脳卒中後に迫る精神崩壊の危機!

2024  10月  デンマーク


脳卒中後の失語症は、言語能力に多大な影響を与えるだけでなく、患者の内的な精神状態にも深刻な負荷をかける。

言葉が出ない、思いを伝えられない状況で、日常的なフラストレーションや孤立感が増大し、多くの失語症患者は常に「ギリギリ」の精神状態にある。

そこで、失語症患者が日々直面するコミュニケーション上の課題と、それがもたらす内的な不安定さについて、具体例をくわしくしらべてみたそうな。



デンマークの病院に入院中の13名の失語症患者(軽度から重度)が対象となり、彼らのコミュニケーション体験に関するインタビューが実施された。患者が抱えるフラストレーションと感情的なニーズを深く理解するために質的なデータ分析が行われ、患者が感じる精神的なプレッシャーを浮き彫りにすることが目的だった。



次のことがわかった。

調査から明らかになったことのひとつに、医療スタッフとのコミュニケーションが「タスク指向」であり、患者の感情的なニーズが満たされていないことが挙げられる。以下は、患者の実例である。

・患者13の例(男性、56歳)
患者は、発話や言語理解の両方に困難があり、言葉を思うように表現できず、徐々に「受け身」になってしまうと感じていた。彼はコミュニケーションが不十分なことで孤立感を強く感じ、無力感を抱いていた。

・患者2の例(男性、64歳)
この患者は、看護師が「ジュースが欲しいか」「食べ物が必要か」といった表面的な質問しかせず、深い対話がないことにフラストレーションを抱いていた。日常的なやり取りの中で、感情的なサポートが欠如していると感じていた。

・患者1の例(男性、69歳)
患者は、看護師がほとんど話しかけず、単に作業を済ませて立ち去ることに対して孤立感を感じ、「もっと話しかけてほしい」と強く願っていた。

・患者9の例(男性、69歳)
患者は看護師が忙しすぎて、十分に時間を取ってくれないと感じており、結果として孤独感を強く感じていた。

・患者8の例(男性、51歳)
この患者は、8年間糖尿病を自己管理してきたが、入院中にその管理が取り上げられ、「自分が正しいとわかっていても、言葉にできなかった」と述べ、フラストレーションを感じていた。

・患者6の例(男性、68歳)
スタッフが急かすように会話を進めるたびに、彼は「話すのをやめた方が楽だ」と感じ、フラストレーションが増していった。

・患者3の例(男性、71歳)
誤解が生じるたびに、患者は「もう何も言わない方が楽だ」と感じ、話す意欲を失っていった。


失語症患者は、日常のコミュニケーションの中で深刻な孤立感やフラストレーションを感じている。彼らのニーズは、単なるタスク指向のケアではなく、共感と理解を基にした感情的なサポートである。しかし、多くの場合、医療スタッフとのやり取りは表面的なものであり、患者の内的な不安定さを増大させる要因となっている 、


というおはなし。

失語症患者



感想:

なるほど。






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