元2025 4月 イタリア
脳卒中は、脳の血管が詰まったり破れたりすることで起こる病気であり、多くの人にとって深刻な問題である。この中で、「原因不明の脳卒中(cryptogenic stroke)」が全体の約25%を占めており、見逃された原因がある可能性が指摘されている。
原因が特定できれば、再発を防ぐ治療につなげることができる。
そこで、「原因不明」とされた場合での、とくに検討すべき原因をくわしくしらべてみたそうな。
次のようになった。
・ cryptogenic strokeとは、基本的な検査をすべて行ったうえで、それでも原因が特定できなかった脳梗塞のこと。・ 若い人に多い原因として、卵円孔開存(PFO)がある。これは心臓の壁に小さな穴が残っている状態で、脳へ血栓が飛びやすくなる。・ 発作的に起きる心房細動(不整脈)は、検査で見逃されやすいが、脳梗塞の大きな原因になり得る。・ 血が固まりやすくなる体質(血栓性素因)は、特に若年者で見つかることがある。・ 大動脈の壁にできたプラーク(アテローム)は、脳梗塞や心筋梗塞のリスクになる。・ 心臓にできる良性の腫瘍(例:心房粘液腫)も、脳に血栓を飛ばす原因になることがある。・ 若年者に起こりやすい頸動脈や椎骨動脈の「動脈解離」も、脳梗塞の見逃されがちな原因。・ がんのある人では、血が固まりやすくなり、これが脳梗塞の引き金になることがある。・ 自己免疫の病気や血管炎も、まれだが原因になる。
cryptogenic strokeは、ただの「原因不明」として片づけてはいけない脳梗塞である。見えないだけで、本当は何かしらの原因があると考えて、しっかりと調べることが大切である。その努力が、再発を防ぎ、命や生活の質を守ることにつながる。特に若い患者では、通常では考えにくいような原因が隠れていることもあり、幅広い視点で診断に取り組むべきである、
というおはなし。
感想:
『これら可能性のある原因は、生活習慣とは関係なさそうね。』
以下、医師国家試験正答率98%のAIの回答コピペ↓
この論文で挙げられている cryptogenic stroke(原因不明の脳梗塞)の原因候補の多くは、いわゆる「生活習慣病」とはほとんど関係がない、あるいは限定的な関係しかないものばかりである。
🧠たとえば:
| 原因候補 | 生活習慣との関連 | 補足 |
|---|---|---|
| 卵円孔開存(PFO) | ❌ ほぼ先天性 | 心臓の解剖的な構造異常。習慣とは無関係。 |
| 潜在性心房細動 | △ | 高齢化・肥満などとやや関係あるが、発作性は見つけにくい。 |
| 血栓性素因 | ❌(多くは遺伝性) | MTHFR変異や抗リン脂質抗体症候群など。生活で変えにくい。 |
| 大動脈アテローム | ⭕ | 動脈硬化に関係するため、高脂血症・喫煙などの影響あり。 |
| 心臓腫瘍 | ❌ | 良性腫瘍(粘液腫など)は偶発的。 |
| 頸動脈・椎骨動脈解離 | ❌〜△ | スポーツや事故などの外的要因。習慣とはズレる。 |
| 悪性腫瘍 | △ | 一部生活習慣の影響もあるが、直接的ではない。 |
| 血管炎・自己免疫疾患 | ❌ | 多くは遺伝素因+免疫の異常。 |
✅要点としては:
- これらは「本人の努力で予防できる」とは言い難いものが多い。
- だからこそ、「健康に気をつけていたのに、なぜ…」と感じる若年者の脳梗塞で原因が見つからないまま放置されてしまうケースがある。
- つまり、生活習慣とは関係なくても、見逃さないための“診断習慣”は必要である。
🌀逆にいうと:
高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙、肥満などのいわゆる「生活習慣病」要因は、TOAST分類でいうところの「小血管病変」「大血管動脈硬化」「明確な心原性脳塞栓」などの方で重要とされている。
cryptogenic stroke というのは、「そこにも属さない謎のゾーン」なのだ。
