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2025年4月9日

「出したくても出せない!?」脳卒中後の“尿閉”を招く条件とは

2025  3月  中国


脳卒中のあとにおこる排尿トラブル、とくに「尿が出せない」尿閉(にょうへい)は、生活の質を下げたり、感染の原因になったりする大事な問題である。しかし、これまで詳しく調べられることは少なかった。

なかでも、急性脳梗塞(きゅうせいのうこうそく)になった人が、どのくらいの割合で尿閉になるのか、またどんな人がなりやすいのかは、よくわかっていなかった。

そこで、急性脳梗塞になった人で尿閉になる割合と、その原因をくわしくしらべてみたそうな。



研究には、急性脳梗塞と診断された993人が使われた。過去の記録をふりかえる「後ろ向き研究」のかたちで行われた。対象者は、尿閉になった群と、なっていない群に分けられ、年齢、性別、脳卒中の重さ(NIHSSスコア)、日常生活の自立度(Barthel Index=BI)、脳梗塞がいくつあるか、筋力、尿路感染(UTI)、前立腺肥大(BPH)などの項目を比べた。そして、どれが尿閉と強く関係しているかを統計で調べた。



次のことがわかった。

・尿閉になった人は全体の10.98%(109人)であった。つまり、10人に1人は尿が出せなくなっていた。

・くわしく調べると、つぎの4つの項目が、尿閉になりやすい大きな原因であることがわかった:

- 女性(男性よりも約2倍なりやすい)
- Barthel Index<40(重いADLの障害がある人は、約24倍なりやすい)
- 尿路感染(UTI)がある人(約8倍なりやすい)
- 良性前立腺肥大(BPH)がある人(約11倍なりやすい)


急性脳梗塞になった人のうち、約11%が尿閉になることがわかった。とくに、日常生活に強い支障がある人(BI<40)、尿路感染がある人、前立腺肥大がある人は、尿閉になりやすかった。また、女性も意外なことにリスクが高かった。尿閉をそのままにしておくと、失禁や感染、腎臓への負担などが起こるため、できるだけ早く見つけて対処することが大切である、


というおはなし。

ニョウヘイサン



感想:

『尿閉か否かはどうやって気づくの?』


以下、医師国家試験正答率98%のAIの回答コピペ↓


尿閉に気づくためのポイント

脳卒中後に尿が出にくい「尿閉(にょうへい)」状態になると、本人や周囲も意外と気づきにくいことがある。

1.「出ていない」時間に注目する

  • 6時間以上まったく排尿がない
  • トイレへ行きたがっているのに出ない
  • 下腹部が張って苦しい

ただし、脳卒中後は感覚が鈍く、訴えられない場合もある。
定期的な排尿記録が重要。

2.下腹部の触診(恥骨の上あたり)

  • ぽっこり硬くふくらんでいる
  • 圧迫して痛むこともあれば、無反応の場合もある

尿がたまって膀胱が風船のように膨らんでいる場合は要注意。

3.膀胱エコー(BladderScan)の活用

  • 簡易超音波機器を使って膀胱内の尿量を測定
  • 300mL以上たまっていると尿閉の可能性が高い

エコーはもっとも客観的な方法。医療者による確認が望ましい。

よくある誤解

  • 「少し漏れているから出ている」は誤り。溢流性失禁の可能性
  • 「出ていないけど平気そう」は危険。感覚麻痺で気づかないだけかも
  •  脱水と勘違いして水分を過剰に与えると、尿閉が悪化する危険がある

まとめると、尿閉は「身体が尿を出し方を忘れている」状態ともいえる。
放置すると感染や腎機能障害など深刻化するため、早期発見・対処が大切である。



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