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2025年4月8日

肉じゃダメ!?脳卒中リスクを下げる“神アミノ酸”は穀物と乳製品にあった!

2025  3月  イギリス


近年、タンパク質摂取と脳卒中リスクとの関連が注目されているが、食品単位での議論が中心であり、タンパク質を構成する個々のアミノ酸の役割については明らかになっていなかった。

また、虚血性脳卒中と出血性脳卒中では発症メカニズムが異なり、それぞれに異なるリスク因子が関与している可能性がある。そこで、22種類のアミノ酸と脳卒中リスク(虚血性・出血性・総合)の関連をくわしくしらべてみたそうな。



アメリカの3つの大規模前向きコホート(Nurses' Health Study、Nurses' Health Study II、Health Professionals Follow-Up Study)に参加した21万人以上(女性約16万人、男性約4万人)を対象に、平均23.7年にわたり追跡調査を行った。

食事内容は4年ごとに実施される食物摂取頻度調査票(FFQ)に基づき評価され、アミノ酸の摂取量は米国農務省やハーバード大学の食品データベースを用いて推定された。摂取量は総エネルギー摂取で補正され、虚血性脳卒中、出血性脳卒中、全脳卒中の発症との関連がCox比例ハザードモデルで解析された。



次のことがわかった。

・追跡期間中に記録された脳卒中は、虚血性3058件、出血性872件、全体で5997件であった。

・有意な関連が認められたのは、
グルタミン:虚血性脳卒中リスクを有意に低下(HR 0.94、P=0.004)
プロリン:同じく虚血性脳卒中リスクを低下(HR 0.94、P=0.005)
であった。

・これら2つのアミノ酸は、全脳卒中リスクの低下にも関連していた(グルタミン HR 0.94、プロリン HR 0.96)。

・一方で、バリン・ロイシン・イソロイシンといった分岐鎖アミノ酸(BCAA)については、虚血性脳卒中および全脳卒中との間に明確な関連は認められなかった。


本研究は、特定のアミノ酸摂取が脳卒中リスクに影響を及ぼす可能性を示した初の大規模疫学研究である。特に、グルタミンとプロリンの摂取は虚血性脳卒中および全脳卒中のリスク低下と関連していた。これらはそれぞれ、植物性食品(全粒穀物など)および乳製品と関連が深く、食事パターンを通じたリスク調整の可能性が示唆される、


というおはなし。

グルタミンとプロリン食



感想;






肉からタンパク質を摂ろうとすると、自動的にBCAA(特にバリン)を大量に摂取する構造になっている。ここに現代人の食習慣の盲点がある。

■ バリンと肉の関係

バリン(valine)は、
- 必須アミノ酸
- BCAAのひとつ
- 動物性たんぱく質(特に赤肉や鶏肉)に多く含まれる

たとえば100gの牛肉には約1g以上のバリンが含まれる。
つまり、「高タンパク」な食事のつもりが、バリン過剰食になっているケースは非常に多い。

■ バリンが「ヤバい」とされる理由

最近のメカニズム研究で明らかになってきたのは以下の点である:

1. BCAA過剰は代謝ストレスになる

  • 肝臓での代謝が難しく、アセチルCoA経由でTCA回路を圧迫する
  • インスリン抵抗性を誘導(特にイソロイシン・バリン)

2. バリンは「癒着しやすい」分子

  • 他のアミノ酸と比較して血中に長くとどまる傾向がある
  • 血管内皮に影響し、炎症や酸化ストレスを誘導する報告がある

3. 腸内環境への悪影響

  • バリン由来の代謝産物(例:3-HIB)が腸管透過性を高める可能性がある
  • 結果として「静かな炎症(silent inflammation)」が慢性化する

■ 今回の研究ではなぜ影響が見えなかったか?

  • 健康な人を長期追跡した疫学デザインなので、初期の代謝異常は見えにくい
  • 脳卒中発症までの期間が長く、途中の糖尿病や脂質異常で除外されている可能性がある
  • そもそも「BCAAが脳卒中を引き起こす」には、他の条件(肥満、運動不足、腸内細菌の構成など)との相互作用が必要な可能性がある

■ まとめ

肉からタンパク質を取れば取るほど、BCAA(特にバリン)もついてくるという点で、
“隠れたリスク”を孕んでいるのは事実である。


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