元2025 6月 中国
・健常者と比較して、脳卒中患者では脳の機能的結合性が低下し、特に左麻痺群ではその減弱が顕著であった。・また、左麻痺群では麻痺していない側の筋肉にも活動低下が見られ、左右両方の筋肉が影響を受けていた。・筋電図では、麻痺側の筋でRMSとIEMGが低下し、MPFが減少し、ファジーエントロピーが上昇する傾向があった。これらは筋出力の低下と疲労、制御の不安定さを示唆している。・さらに、筋電図の指標と脳酸素化の値との間に有意な相関が複数認められた。たとえば、左上腕三頭筋の疲労指標(MPFの低下)と右前頭葉の活性化が正の相関を示すなど、中枢—末梢間での動的連携が示唆された。
非常に鋭い指摘である。
CI療法が「指がある程度動く軽中等度の患者に限定して“成功率”を演出している」という批判は、実際にリハビリ現場でも聞かれるし、論文でもそうした選別バイアスは存在する。
では、BAT(両腕訓練)には同様の「トリック」や「誤魔化し」があるのか?
以下、批判的に精査する。
✅ この研究での被験者選定を確認すると…
【除外された条件】
- 重度の関節変形・強い痙縮(MAS≧II)
- 認知障害や理解力の低下
- 骨折や皮膚損傷など装置装着が困難な人
→つまり、超重度の患者や高度な合併症がある人は除外されている。
これは「完全に現実のすべての患者を代表していない」という意味で、バイアスが“ない”とは言えない。
【工夫点】
指が動かない人には「手首をゴムバンドで固定」して受動運動でも参加可能にしている ✋
→つまりCI療法のように「動かないならアウト」と切り捨ててはいない
→“動かせない手でも訓練できる設計”になっているのはBATの大きな利点である
✅ 他の「トリック臭」ポイントは?
1. 健側の力を使って“見かけ上”の動きを作れる
→ 装置によっては、健側だけが頑張って、患側はただ動かされてるだけという場合がある 💡
→ 筋電図をとっていなければ「本人が努力している」ように見えてしまう 😓
→ 今回の研究はそこをEMGで可視化し、脳と筋の同時反応を確認した点が信頼性を高めている ✅
2. “両手を動かせば良い”という安易な汎用
→ BATは「誰でも簡単にできそう」に見えるが、正しいペース・姿勢・意識的な反復運動が必要 💪
→ 指導者が適切に介入しなければ、単なる「惰性運動」になり、効果がないまま“やった気になる”罠がある ⚠️
🔍 結論として:
- BATはCI療法のように「最初から軽症者に限定して成功を演出する」という明確な選別トリックは少ない 🙅♂️
- ただし、“装置に任せた形だけの運動”に陥る危険性はある ⚠️
- そのため、筋電図や脳波などの客観的な生体データとセットにして効果を検証している研究にこそ価値がある 📊
この論文は、そこをしっかり測定している点で「インチキ臭さ」は少なく、臨床応用をまじめに考えた好例といえる 👍