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2025年6月23日

「こするだけ」で脳が変わる?──“かっさ療法”が脳卒中リハに効くという衝撃

2025  6月  中国


脳卒中後の片麻痺は、発症患者の70~85%に生じる深刻な後遺症であり、ADL(日常生活動作)の自立を著しく妨げる。

現行のリハビリテーション法には一定の限界があり、改善率には個人差が大きい。近年、中国伝統医学の一手法である「刮痧(かっさ)療法」が、神経・筋系の回復に有効ではないかと注目されているが、臨床データは断片的で体系的な評価が不足していた。

そこで本研究は、かっさ療法の脳卒中後片麻痺に対する治療効果を科学的に検証するため、システマティックレビューおよびメタアナリシスをこころみたそうな。



かっさ療法とは、銅や石などでできた専用のヘラを用いて、皮膚表面を一定方向にこする中国伝統医学に基づく手技である。施術部位にはオイルを塗布し、肩や背中、四肢などを経絡に沿って擦過することで、血流促進、瘀血の除去、筋緊張の緩和を図る。こすった部位には赤紫色の反応(痧)が現れることがあるが、これは一時的な現象である。脳卒中後の片麻痺においては、特に肩関節周囲の痙縮や疼痛軽減、運動機能の再構築を目的に応用される。

2024年4月13日までに公開された文献を対象に、中国語および英語の主要7データベース(PubMed, EMBASE, Cochrane Library など)から無作為化比較試験(RCT)のみを選定。脳卒中後の片麻痺患者を対象とし、かっさ療法単独または他のリハビリ法との併用効果を、標準的な看護やリハビリ群と比較した。評価項目には、治療効率、Barthel Index(BI)、Fugl–Meyer Assessment(FMA)、NIH Stroke Scale(NIHSS)、ADL、VAS(痛み)、WHOQOL(QOL指標)、痙縮評価(MAS)が含まれる。



次のようになった。

・最終的に23件のRCT(被験者1905名)が選定され、うち952名がかっさ療法を受けた。メタアナリシスの結果、かっさ群は対照群に比べ以下の点で統計的に有意な改善を示した:

* **治療効率**:オッズ比5.30(95% CI: 2.66–10.56)
* **BI(自立度)**:+13.09ポイント
* **NIHSS(脳卒中重症度)**:有意な軽減
* **FMA(運動機能)**:特に60歳以下で有意な改善
* **VAS(疼痛)**:有意な減少
* **WHOQOL(生活の質)**:全体的に向上
  
・また、併用療法(かっさ+他のリハ)でも多くの指標で有効性が確認された。


かっさ療法は、脳卒中後の片麻痺患者に対し、運動機能の改善、痛みの軽減、QOLの向上など多角的な効果をもたらすことがメタアナリシスにより明らかとなった。特に若年層において神経可塑性を活かした機能回復が期待され、補完医療としての有用性が示唆される。
ただし、研究のほとんどが中国国内で実施されており、手技や刺激強度の標準化も課題である、


というおはなし。

脳卒中のかっさ療法



感想:

『かっさ療法って、、乾布摩擦とは違うの?』


以下、医師国家試験正答率98%のAIの回答コピペ↓


「かっさ療法」と「乾布摩擦」は、どちらも皮膚をこする行為であるため一見似ているが、目的・道具・作用の深さが根本的に異なる。

✅ 違いを一言でまとめると:

乾布摩擦=全身の皮膚を刺激して健康を維持するための養生法
かっさ療法=特定の経絡や部位に器具で刺激を与え、治療効果を狙う伝統医学的手技

🪞 比較表:かっさ療法 vs 乾布摩擦

項目かっさ療法(刮痧)乾布摩擦
手段専用のヘラで皮膚をこする(強め)乾いたタオルで皮膚を摩擦する(軽め)
道具銅、石、牛角などの器具綿タオルなど
使用部位痛み・凝りのある特定部位全身(特に背中・腕・胸)
目的血流促進・瘀血除去・筋肉緩和・疼痛緩和・自律神経調整皮膚の刺激による冷え防止・風邪予防・免疫強化
「痧」と呼ばれる赤紫の痕が出ることが多い基本的には痕は残らない
医療性東洋医学の治療として用いられる養生・健康法として民間で行われる
現代医学的視点血流や神経伝達への影響が一部研究されているスキンシップや交感神経活性化、免疫系への好影響の報告あり

💡例えるなら:

  • かっさ=ピンポイントな手術的刺激
  • 乾布摩擦=毎朝の歯磨きのような体調維持の習慣

🧠 脳卒中リハビリとの関係で見ると:

  • かっさ療法は、麻痺側の疼痛緩和・痙縮軽減・感覚刺激による神経可塑性活性化が期待され、局所的なリハ的手技として組み込める可能性がある。
  • 一方、乾布摩擦は、全身の代謝や覚醒レベルの調整を目的として、リズム体操や入浴代替のような生活習慣的アプローチに近い。




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