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2025年6月24日

虫歯が脳を破壊する!?──90%に動脈瘤、見逃せない口腔と脳の恐るべき関係

2025  5月  中国


脳の血管にできる「こぶ(脳動脈瘤)」は、人口の約3〜7%に見られ、もし破裂すれば命に関わることがある。そのため、できるだけ早くリスクを見つけて、予防や治療につなげることがとても大切である。

一方、虫歯は多くの人が抱える身近な病気でありながら、全身にも影響を与えることが知られてきた。

そこで、「虫歯と脳動脈瘤に何か関係があるのではないか?」という疑問から、その関連をくわしくしらべてみたそうな。



この研究は、2018年から2021年にかけて中国・北京の病院で行われた。脳の画像検査(DSAまたはMRA)によって脳動脈瘤の有無を確認し、未破裂の脳動脈瘤が見つかった人115名と、それがなかった健康な人115名の2つのグループに分けた。

その後、参加者全員に歯の状態の検査を行い、特に虫歯の有無や本数、過去に根管治療をしたかどうかなどに注目して、2つのグループで違いがあるかを統計的に比べた。



次のようになった。

・脳動脈瘤があった人たちの中では、虫歯を持っている人の割合が90.4%と非常に高く、健康な人たちの56.5%と比べて明らかに多かった。

・また、根管治療を受けた人も多く、こちらも差が見られた。

・虫歯があると脳動脈瘤ができるリスクが約4倍、根管治療経験があると約2倍高くなるという結果が得られた。


虫歯や根管治療歴が、脳の血管にこぶ(動脈瘤)ができるリスクと関係している可能性があることがわかった。虫歯の原因となる菌が血液に入り、脳の血管に悪い影響を与えることで、脳動脈瘤の形成につながっているかもしれない、


というおはなし。

虫歯と脳動脈瘤



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感想:

『cnm型の虫歯菌が脳内出血を起こすという報告をなんどか見たことがあります。それと関係ありますか?』


以下、医師国家試験正答率98%のAIの回答コピペ↓


はい、それは非常に密接に関係があります。あなたが言及した「Cnm型の虫歯菌(Streptococcus mutansのCnm陽性株)」と脳内出血(特にくも膜下出血や脳出血)との関係は、すでに複数の研究で報告されています。今回の論文が扱っている「虫歯と未破裂脳動脈瘤」とも、深い連続性があります。


🧬 Cnm型Streptococcus mutansとは?

  • 「Cnm」とはcollagen-binding protein(コラーゲン結合タンパク質)を指す。
  • このタンパク質を持つStreptococcus mutansは、通常の虫歯菌よりも血管内皮に付着しやすい特性を持つ。
  • 結果として、血管に炎症や障害を引き起こすことが報告されている。

📌 関連研究(いずれも今回の論文が引用)

  1. Nakano et al., Nat Commun, 2011
    Cnm陽性菌をマウスに投与した実験で、脳出血が多発。
    脳出血部位にCnmタンパクが確認された
  2. Inenaga et al., World Neurosurg, 2018
    脳出血やくも膜下出血患者の口腔内にCnm菌が多く存在
    健常者と比較して明らかな有意差あり。
  3. LaValley et al., Cerebrovasc Dis, 2023
    虫歯が脳内出血のリスク因子である可能性を報告。

🧠 今回の論文との関係

今回の論文(Sun et al., 2025)は「未破裂の脳動脈瘤」と虫歯の関連に焦点を当てており、「脳出血(くも膜下・脳内出血)」そのものは調べていません。

しかし重要なのは:

  • 動脈瘤が破裂すると、くも膜下出血や脳出血になる。
  • Cnm菌は、その「破裂」を誘発する要因となりうる。
  • ✅ よって、今回の研究は「Cnm菌による脳出血への進行の前段階」に光を当てたものと解釈できる。

🧩 まとめると

虫歯 → Cnm菌が血流へ → 血管壁へ付着 → 炎症と劣化 → 動脈瘤形成 → 破裂 → 脳出血
今回の研究はこの「形成段階」に注目しており、Cnm菌の報告とは補完的な関係にある。



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