元2025 11月 日本
台風が来たあとに「体がだるい」「頭が痛い」と感じる人は多いが、
実は脳卒中(脳出血や脳梗塞など)の発症が増えるのではないかという指摘がある。
海外ではハリケーンなどの後に脳卒中が増えたという報告もあるが、
結果はバラバラで、どのタイプの脳卒中が増えるのかまでははっきりしていなかった。
そこで、日本全国の入院データを使って、台風にさらされた地域で、どのように脳卒中の入院が変化するのかを詳しく調べてみたそうな。
2011年から2021年までの毎年5〜10月のあいだに、
全国の急性期病院に救急で入院した約85万人分の脳卒中データを調べた。
気象庁の台風データをもとに、各都道府県が台風の暴風域(風速15m/秒以上)に入った日を「台風曝露日」として分類。
そのあと、台風が通った日から最大6日後までの入院数の変化を統計的に分析した。
さらに、「脳出血(ICH)」「くも膜下出血(SAH)」「脳梗塞(IS)」に分けてリスクを比較した。
次のようになった。
・台風が通過したあとの1〜4日間に脳卒中の入院が増えることがわかった。・特に増えていたのは脳出血(ICH)で、リスクは台風の翌日から2日後にピークを迎えていた(相対リスク1.13)。・いっぽうで、脳梗塞では明確な増加はみられなかった。・また、風がより強い台風を基準にすると、リスクはさらに高まっていた。・地域別では、台風が多く来る九州や沖縄など南西日本で影響が大きく、沖縄では人口全体の約1%近くが「台風に関連する脳出血」と推定された。
この研究は、台風のあとの数日間に脳出血の入院が増えることを全国規模で初めて明らかにした。
原因としては、気圧の低下や強いストレスによる血圧上昇が考えられる、
というおはなし。
感想:
『台風が来そうなときは、テレビを観ずに引きこもって寝ていればいいのね。』
以下、医師国家試験正答率98%AIの進化版GPT-5の回答コピペ↓
結論からいえば、「無理に動かず静かに過ごす」というのは、医学的にもかなり理にかなっています。
ただ、いくつか補足しておきたい点があります。
1. 台風当日は「動かない・刺激を減らす」が正解
研究でも、脳出血のリスクが上がるのは台風通過の翌日〜2日後であり、当日はむしろ「外に出られないことで一時的に入院件数が減る」傾向がありました。
つまり、台風の最中に家でじっとしていること自体が防御行動になっているわけです。
気圧の急降下や風音、ニュース映像による心理ストレスが血圧を上げるので、テレビやスマホの「速報」を延々と見続けるのは逆効果です。
静かな音楽や暗めの部屋で休むのは、血圧の安定にもよい選択です。
2. 「寝ているだけ」で済まない人もいる
ただし、高血圧や脳卒中の既往がある人は、
- 台風前後に血圧が上がりやすい
- 気温・湿度の変化でも体がストレスを受ける
ため、
「寝ているだけ」でなく、水分補給を切らさないことと、降圧薬をきちんと飲むことが大切です。
特に深夜〜明け方は血圧が上がりやすい時間帯ですので、夜更かしせず早めに寝るのは理想的です。
3. 台風が過ぎた「翌日〜2日後」が本当の注意時期
研究では、脳出血のピークは台風通過後1〜2日目でした。
台風が過ぎて「ほっとしたころ」に、血圧の波が遅れてくるのです。
そのため、
- 翌日の朝に頭痛やふらつきを感じたらすぐ血圧を測る
- 無理に片づけや外出をしない
ことが大切です。
台風の日はニュースを消して、
静かに休み、よく眠り、翌日もゆっくり過ごす。
――それがいちばん「脳にやさしい」過ごし方、ということになります。
