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2025年12月24日

日本人の特権クラゾセンタンに新たな副作用――本当にヤバいのは使用後だった

2025  12月  日本


くも膜下出血のあとに起こる脳血管攣縮は、回復を大きく左右する重要な問題である。
近年、日本ではクラゾセンタンという新しい薬が使われるようになり、
「血管攣縮を直接おさえる薬」として注目されてきた。

実際、投与中は脳血管の攣縮がはっきりと減ることが分かっている。
ところが最近になって、
・薬をやめたあとに
・もう一度、血管攣縮が起きるケース
が少数ながら報告されるようになった。

この現象は、これまで使われてきた治療薬ではほとんど問題にならなかったため、
なぜクラゾセンタンで起きうるのか、その理由はよく分かっていなかった。

さらに近年、細い血管を取り囲む「ペリサイト」という細胞にも、エンドセリンA受容体が存在することが分かってきたが、クラゾセンタンがこの微小循環にどのような影響を与えるのかは、ほとんど調べられていなかった。

そこで、
・なぜ薬をやめたあとに攣縮が再び起こるのか
・太い血管だけでなく、細い血管では何が起きているのか
この2点を明らかにするべく実験してみたそうな。



ラットを用いたくも膜下出血モデルが使われた。
ラットは以下の3つのグループに分けられた。
・正常なラット
・くも膜下出血を起こし、生理食塩水を投与した群
・くも膜下出血を起こし、クラゾセンタンを連続投与した群

クラゾセンタンは7日間連続で投与され、その後に中止された。
評価されたのは、主に次の点である。
1. 太い脳血管
   ・血管の壁の厚さ(攣縮の目安)
   ・エンドセリンA受容体の量
2. 細い血管(微小循環)
   ・ペリサイトの数
   ・ペリサイトや血管内皮にあるエンドセリンA受容体の量
これらを、投与中から中止後まで、時間の経過に沿って観察した。



次のようになった。

・ 太い血管で起きていたこと
クラゾセンタンを投与している間は、太い脳血管の攣縮は明らかにおさえられていた。
しかし薬を中止して3日ほど経つと、血管の壁が再び厚くなり、攣縮が戻ってきた。
この時期、血管の筋肉細胞では、エンドセリンA受容体が高い状態のまま残っていた。
つまり、攣縮は止まっていたが、血管自体は刺激に反応しやすい状態に変わっていたと考えられる結果であった。

・ 細い血管で起きていたこと
細い血管では、さらに興味深い変化が見られた。
くも膜下出血のあと、
・ペリサイトは一時的に減り
・3日目あたりで最も少なくなり
・その後、回復していった
一方で、
・ペリサイトにあるエンドセリンA受容体は
・3日目に最も多くなった
クラゾセンタンを投与した群では、この受容体の増加がさらに強くなっていた。
これは、細い血管レベルでも、血管が縮みやすい状態が作られていたことを意味する。


クラゾセンタンは、投与中は確かに脳血管攣縮をおさえる効果がある。
しかし同時に、
・太い血管でも
・細い血管でも
エンドセリンA受容体を増やしてしまう。
この変化が残ったまま薬を中止すると、血管が過敏に反応し、攣縮が再び起こる可能性がある。この現象はこれまで、
・病気が重かったから
・自然な経過だから
と考えられ、見逃されてきた可能性がある、


というおはなし。

クラゾセンタンの跳ね返り攣縮



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感想:

『この研究はクラゾセンタンを供給しているNxera Pharmaが資金提供しています。企業にとって一見不利になりそうな情報を発表していることから状況の深刻さがうかがえます。
企業はきっとこう考えました。「このヤバい副作用でいずれ炎上は避けられないだろう。いっそのこと自らあきらかにしたほうが状況をコントロールしている感を打ち出せるかもしれない…」と。』


以下、医師国家試験正答率98%AIの進化版GPT-5の回答コピペ↓


提示文のうち、前半は事実として書けるが、後半は「推測」である。推測を推測のまま提示するなら、ブログとしても強度が上がる(読者に突っ込まれにくい)ので、表現を少しだけ整えるのがよい。

1) 事実として確実に書ける部分

「この研究はクラゾセンタンを供給しているNxera Pharmaが資金提供しています」は、Funding欄に「partially supported by Nxera Pharma」と明記されているため事実である。 

2) 注意が必要な部分

「企業はきっとこう考えました…」は、論文にも公的資料にも書かれていない企業意図の断定である。断定すると、根拠を求められたときに弱い。
ここは「可能性」「読み」として複数シナリオを並べると、説得力と安全性が両立する。

3) ブログ用に整えた文章案(である調、断定を避ける)

以下は、あなたの主張の芯を保ちつつ、断定を避けた版である。


この研究は、クラゾセンタンの製造販売に関わるNxera Pharmaが一部支援している(Funding欄にその旨が記載されている)。 
興味深いのは、企業支援が入っているにもかかわらず、クラゾセンタンにとって不利になり得る論点(中止後の再攣縮や受容体の変化)に踏み込んでいる点である。ここからは、少なくとも「軽い話ではない」可能性がうかがえる。

では、なぜ企業がこうした研究を支援したのか。意図は明示されていないため断定はできないが、いくつかの読みが成り立つ。たとえば、将来的に安全性の議論が避けられないと見込み、早い段階で機序を明らかにして説明可能性を確保しておきたい、という判断である。別の可能性として、承認後の適正使用(誰に、いつまで、どう中止するか)を設計するには機序の理解が不可欠であり、そのために基礎研究を後追いで強化した、という実務的理由も考えられる。


4) もう少し攻めた書き方(ただし「仮説」と明示)

あなたの文の勢いを残したい場合は、冒頭で「仮説」と宣言しておくと成立する。


以下は一つの仮説である。企業支援が入った研究で、あえて不利になり得る情報が出てくるとき、企業は「いずれ議論になるなら、外から暴かれる前に、データとして先に置いておく」戦略を取ることがある。自ら問題提起しておけば、説明の枠組みを主導しやすく、結果として被害を最小化できる可能性がある。今回の研究は、そのような危機管理的な動機とも整合する。




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