元2026 5月 韓国
脳内出血を起こしたあと、再発を防ぐために血圧管理が大事であることはよく知られている。しかし、血圧をどのくらいまで下げればよいのかは、まだはっきりしていない。
血圧は低いほどよいと思われがちだが、低すぎると低血圧や腎機能の悪化などの問題も起こりうる。
そこで脳内出血後に生き残った人たちについて、その後の血圧と、死亡、脳梗塞、脳内出血の再発との関係をくわしくしらべてみたそうな。
韓国の国民健康保険データベースを用いた全国規模の研究である。対象は、2005年から2022年までに自然発症の脳内出血で入院し、1年以上生存し、降圧薬を使っていて、脳内出血後1年以内の血圧データがある20〜69歳の患者で最終的に11,034人が解析された。
患者は、最初に確認された収縮期血圧によって、120未満、120〜129、130〜139、140〜149、150〜159、160 mmHg以上の6群に分けられた。その後5年間で、死亡、脳梗塞、脳内出血の再発がどのくらい起きたかを比較した。年齢、性別、喫煙、糖尿病、薬の使用状況などの影響も調整している。
次のことが分かった。
・死亡率が最も低かったのは、収縮期血圧120〜129 mmHgの群であった。これより高い群、特に160 mmHg以上の群では死亡リスクが高くなっていた。・脳梗塞については、血圧が高くなるほど増える傾向があった。120〜129 mmHg群と比べると、150〜159 mmHgでは脳梗塞リスクが高くなり、160 mmHg以上ではさらに高くなっていた。つまり、脳内出血を経験した人でも、血圧が高いままだと「出血」だけでなく「血管が詰まる脳梗塞」も増えるという結果である。・脳内出血の再発は、160 mmHg未満では大きな差は目立たなかったが、160 mmHg以上になると明らかに増えていた。160 mmHg以上では、120〜129 mmHg群と比べて脳内出血再発リスクが約1.9倍であった。
脳内出血後では、収縮期血圧120〜129 mmHgあたりが、死亡リスクの最も低い範囲であった。一方で、血圧が高いままだと脳梗塞が増え、160 mmHg以上では脳内出血の再発や死亡も増えていた、
というおはなし。
感想:
『脳梗塞予防のためにサラサラ薬飲んでいたひとが副作用やらなんやらで脳内出血をおこした。その後、脳梗塞を起こした。そんなひとが少なからず含まれているってことよね。サラサラ薬使用者はどのくらいいたの?自分はサラサラ薬つかっていないのに脳内出血になったけど、推奨血圧については160超えないようにしていればいいの?』
以下、医師国家試験正答率98%AIの進化版GPT-5の回答コピペ↓
そう。あなたの読みはかなり現実的である。
この集団には、
「もともと脳梗塞・心房細動・動脈硬化などの理由でサラサラ薬を使っていた、または脳出血後に再開・開始された。その後また脳梗塞を起こした」
という人が少なからず含まれているはずである。
ただし、この論文だけでは「サラサラ薬の副作用で最初の脳内出血が起きた」とまでは断定できない。薬剤使用の定義は、初回フォロー時の血圧測定日を基準に、その前1年間に処方があったかどうかである。つまり、脳出血前から飲んでいた薬と、脳出血後に処方された薬が混ざりうる。
サラサラ薬使用者はけっこう多い。
抗血小板薬は合計3237人、全体の約29.3%。
抗凝固薬は合計2794人、全体の約25.3%。
血圧群ごとに見ると、抗血小板薬は約27〜35%、抗凝固薬は約21〜28%である。
ただし、抗血小板薬と抗凝固薬の重複がある可能性があるので、「サラサラ薬を使っていた人が合計3237+2794人」とは言えない。何らかの抗血栓薬使用者の正確な人数は、この表だけでは確定できない。
そして大事なのはここ。
「サラサラ薬を使っていない自分なら、160を超えなければよいのか?」
この論文だけから言うと、それは少し甘い読みになる。
たしかに、脳内出血再発は160 mmHg以上で明らかに増えている。だから「160以上はかなり避けるべき危険域」と読める。
しかし、この論文で死亡リスクが最も低かったのは120〜129 mmHg群であり、脳梗塞は150 mmHg以上で有意に増えている。著者自身も、脳内出血後の生存者では収縮期血圧120〜129 mmHgが望ましい、と結論している。
つまり、この論文の読み方は、
160未満なら安全、ではない。
160以上は明確に危険。
150以上では脳梗塞リスクも目立つ。
死亡まで含めると120台がいちばんよさそう。
という感じである。
現行のAHA/ASAの脳内出血ガイドラインでも、自然発症脳内出血後の長期管理では、おおむね130/80 mmHg程度まで下げることが再発予防として妥当とされている。([ガイドラインセントラル][1]) 日本の脳卒中治療ガイドライン関連の解説でも、一般には130/80 mmHg未満が推奨されるが、高齢者や脳主幹動脈の高度狭窄がある場合などは個別判断になる、とされている。([医書ジェーピー][2])
なので、あなたのケースに引き寄せるなら、
「サラサラ薬なしで脳内出血になった」なら、むしろ血圧・血管脆弱性・小血管病変側の問題を疑う余地が大きい。だから、160を超えない程度でよい、ではなく、無理なく維持できるなら120台〜130前後を狙う、ただし低すぎてふらつく・腎機能が悪くなる・拡張期血圧が下がりすぎるなら調整、という読みが現実的である。⚠️
[1]: https://www.guidelinecentral.com/guideline/7078/?utm_source=chatgpt.com "AHA/ASA (Stroke) Management of Patients With Spontaneous Intracerebral Hemorrhage Guideline Summary - Guideline Central"
[2]: https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.15104/J01461.2022047042?utm_source=chatgpt.com "Catch Up!診療ガイドライン ガイドラインTOPICS 脳卒中のガイドラインが全面改訂! (薬局 72巻13号) | 医書.jp"
