言語聴覚士は失認が好き。
最初の病院でのこと。
車椅子に生まれて初めて乗って、
おまけに左手足が使えないものだから、
まっすぐに走ることができない。
ST訓練の時間、
そう広くない部屋に導かれて
車椅子を転がす。
テーブルや棚や椅子などの隙間をぬって
指定の位置へ向かう。
どうしてもどこかにぶつかる。
おそらく健常なひとでも、
車椅子に初めて乗って右手足だけで
操作すればきっとあちこちにぶつかりまくると思う。
ところが、この事実をもって
報告書には"失認"って書かれる。
次の病院でのこと、
STの時間、
色のついたブロックを組み合あせて
テキストの画像と同じ模様にするテストがあった。
延々と続き、いよいよ最後の一番ブロックの個数の多い
問題に取り組んでしばらくして、
いい加減つかれていたので、
『うーん、これはむずかしい…』
と数分間、悩んでしまった。
すると言語聴覚士が喜々として曰く
『これだぁ!やっぱり。そうかぁ』と
大きな声で ひとしきり関心している。
理由を訊いてみると、
右脳の損傷だから左方への注意力が低下している、と
予想できて、この問題で考え込むことがその証拠である
というようなことを言う。
これはどう考えたっておかしい。
私の正常時の問題解決スピードの状態を知らずして、
しかもたった1つのブロック問題で悩んだくらいで
そんなことがわかるワケがない。
それで、報告書には"左方失認"といったことが書かれていた。
先に結論が出ていて、
なんとかして"失認"を作り出し、
周囲に仕事をしてますってアピールしたいという意図が見える。
当人たちは一生懸命仕事をしているつもりらしいのだけれど、
…
STとはかなりいい加減な世界である、と思わずにはいられない経験だった。