リハビリ病院に転院したとき、
あきらかに患者とわかる服装で、
病院内外をスタスタと歩き、階段も難なく昇り降りしている
人が数人いた。
きっともうすぐ退院するんだろうな、
ここまで回復するのにどんなにがんばったのだろうか…
と思った。
ところが、何日経ってもそれらの人たちは退院しない。
それどころかますます病院生活をエンジョイしているかのようにすら見える。
かなり不思議におもっていたが、
ある日直接話す機会があって気がついた。
どうやら、彼らは失語症、もしくは、高次の脳機能障害を抱えているために
そのリハビリが必要で病院に居るらしいのである。
本人は一生懸命に話しているのだけれど、
つたない英語で外国人と話すような
なんとももどかしい、そんな状況のひとたち。
見た目にはまったく普通の人。