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2016年8月14日

若年脳卒中患者は脳の老化が10-20年進んでいた


Accelerated development of cerebral small vessel disease in young stroke patients
2016  8月  オランダ

おなじ脳血管リスクを抱えていても若くして脳卒中を起こす者はまれである。

そこで、若年者の脳卒中への脆弱性を脳小血管病(ラクナ、微小出血、白質病変)に注目して調べてみたそうな。


18-50歳で脳梗塞またはTIAになった患者337人と同年齢の健常者90人について10年前後フォローし、MRIから脳小血管病を評価して関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・1つ以上のラクナ梗塞を持つ者は 24.0% vs. 4.5% で脳卒中患者に多く、

・白質病変の体積も 1.5mL vs. 0.4mL で患者に多かった。

・患者の白質病変体積は、同年齢の健常者の10-20年後のそれに相当しており、

・脳卒中の発症年齢、高血圧、喫煙習慣と関連があった。

若年脳卒中患者には脳小血管病が多かった。健常者に比べ脳の老化が10-20年進んでいると考えられ、それゆえに脳卒中になったのかも、


というおはなし。

図:若年脳卒中経験者の白質病変ボリューム

感想:

脳みそがすでに後期高齢者なのか!?

2016年8月13日

軽い脳卒中でも脚の麻痺があると認知障害になる


Determinants of post-stroke cognitive impairment: analysis from VISTA.
2016  7月  イギリス

脳卒中のあとの認知障害は珍しくなく やがて認知症に発展する。

そこで脳卒中の症状と数年後の認知障害との関連を調べてみたそうな。


平均年齢63の脳卒中患者5435人について、発症から30日前後の症状と 1,3年後の認知障害の有無を調べ関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・1年後34%が、3年後30%が認知障害だった。

・年齢、重症度、高血圧、糖尿病などの関連要因と比べてもなお、脚に麻痺のある患者の認知障害リスクがもっとも高かった。

・この関連は患者を脳梗塞やTIAに限定しても変わらなかった。

脳卒中から数年後の認知障害のリスク要因として、年齢や高血圧のほかに脚の麻痺が強く関連していることがわかった、


というおはなし。

図:認知障害と脚の麻痺


感想:

歩かないとボケちゃうってことなんだろね。

2016年8月12日

損傷脳の左右の違いで運動イメージ能力に差はでるか?


Do Motor Imagery Performances Depend on the Side of the Lesion at the Acute Stage of Stroke?
2016  6月  フランス

運動イメージ訓練は脳卒中患者の上肢リハビリにもっとも効果的な方法の1つである。

しかし急性期患者の運動イメージ能力についてはよくわかっていないので調べてみたそうな。


発症後3週間未満の脳卒中患者24人と健常者24人について、運動イメージテストを行い 反応速度、エラー率、時間あたりのイメージ回数 等を測定し損傷脳の左右、麻痺手、非麻痺手の区別との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・写真の手の左右を判断する能力は、脳卒中患者は麻痺手側で反応速度が遅くエラー率が高かった。

・非麻痺手側では右脳損傷患者のエラー率が健常者よりも高かった。

・時間あたりのイメージ回数は両側の手で脳卒中患者が劣っていた。

・手を実際に動かせる回数とイメージで動かせる回数は対応関係にあったが、右脳損傷患者だけは両手ともに関連を確認できなかった。

運動イメージ訓練を脳卒中の上肢リハビリに応用する際には、損傷脳の左右の違いに注意が必要かも、


というおはなし。
図:運動イメージと実行能 左右脳の違い

感想:

これ思い出した。↓
手の写真をみて 右手か左手かすぐにわかる?

2016年8月11日

めまい患者に脳卒中がみつかる頻度は


How Commonly Is Stroke Found in Patients with Isolated Vertigo or Dizziness Attack?
2016  8月  日本

めまいで救急搬送されてくる患者の多くは良性の前庭疾患であるが、ほかに神経症状のない場合 原因を見つけるのは容易ではない。

めまい患者のなかに脳卒中のケースがどれくらい含まれているか調べてみたそうな。


過去10年間、平均年齢68のめまい患者221人の記録を見なおしたところ、


次のことがわかった。

・患者のうち118人が回転性のめまいで、103人は浮動性めまいだった。

・断層画像から25人11.3%に脳卒中(21人脳梗塞、4人脳出血)がみつかった。

・病巣は小脳22人、橋1人、延髄1人、放射冠1人だった。

・脳卒中だった患者の76%は浮動性めまいだった。

めまい患者の11%に脳卒中がみつかった。後下小脳動脈の支配域での病変が多かった、


というおはなし。

図:めまいと脳卒中位置

感想:

フワフワする感じのめまいはよくあった。それもいつも同じ場所で。

当日、その場所の地下にある めったに利用しない駅のホームで力尽きた。

2016年8月10日

下肢の筋トレ効果を若年 高齢で比べてみた


The Effects of POWER Training in Young and Older Adults after Stroke.
2016  8月  アメリカ

脳卒中経験者は歩行が遅い。

そこで、下肢筋力トレの効果を若年者と高齢者で比べてみたそうな。


慢性期の脳卒中患者16人(40歳未満の6人と60歳より上の10人)について、レッグプレス、カーフレイズ、ジャンプなどの筋トレを24日ぶん行ったところ、


次のことがわかった。

・若年、高齢の両グループで麻痺脚、非麻痺脚ともに膝の伸展筋力が大きく向上した。

・若年グループで快適歩行速度がおおきく向上した。

・快適歩行速度は若年、高齢グループともに両脚の筋力と強く関連していた。

若年脳卒中経験者は歩行速度の改善が目的であれば筋力トレーニングが非常に効果的である、


というおはなし。

図:快適歩行スピードと麻痺足筋力


感想:

スクワットとかかと上げは毎日欠かさない。

2016年8月9日

やがて指が開くようになる脳卒中患者の特徴


When Does Return of Voluntary Finger Extension Occur Post-Stroke? A Prospective Cohort Study.
2016  8月  オランダ

脳卒中の急性期に手の指がまったく開かない患者は予後不良が考えられる。そのいっぽうで6ヶ月後には手の機能を再獲得している患者もすくなくない。

このような回復がどの時期に、どういった患者で起きるのか調べてみたそうな。


急性期に手の指がまったく開かない脳梗塞患者100人について 6ヶ月間 手の機能を毎週フォローした結果、


次のことがわかった。

・6ヶ月後 45人がARATスコア10ポイント相当以上の手の機能を再獲得していた。

・彼らの手の指が開くようになった時期の中央値は4週間後だった。

・1.下肢の運動機能がそこそこ良く、

・2.半側空間無視がなくて、

・3.体性感覚機能に障害がない者のほとんど(94%)が6ヶ月後には手の機能を再獲得していた。

脳卒中患者が指を開けるかどうかは4-8週間くらいまでは毎週調べたほうがいい。おもに手だけが麻痺していて空間無視がなく 感覚機能の保たれている患者は6ヶ月後には上肢の機能もいくらか回復していることが期待できる、


というおはなし。

図:指が開く脳卒中患者の割合

感想:

指がかすかに開いたときの感激は忘れられない。0(ゼロ)になに掛けても0だけど、0.1mmでも指が開けばあとは訓練しだい。
「これで治ったも同然!」と瞬間的に確信したよ。

2016年8月8日

脳卒中経験者への体力トレーニングの効果について


Physical Fitness Training for Patients With Stroke
2016  8月  イギリス

脳卒中経験者の心肺持久力、筋骨格系能力は低い。

そこで、体力トレーニングの効果を調べてみたそうな。


体力トレーニングと歩行パフォーマンスに関する過去の研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・体力トレーニングの種類は 心肺トレーニング、筋力トレーニング、両者のミックストレーニングの3つに分類できた。

・心肺トレーニングがもっとも効果が大きく、歩行スピードと持久力がほどほどに改善した。

・次いでミックストレーニングでバランス能力が少し改善した。

・筋力トレーニングのみでは統計学的有意な改善は確認できなかった。

・いずれのトレーニングも深刻な有害事象はなかった。

・QOLや認知機能への影響についてはデータが少なく結論がでなかった。

脳卒中経験者への心肺トレーニングまたは筋力トレーニングとの組み合わせは 移動能力やバランス機能の改善にいくらか効果があった、


というおはなし。

図:脳卒中患者への体力トレーニング


感想:

さいきん、筋トレあとのひどい耳鳴りが完全に消えたので次のレベルへの可能性を感じている。

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