脳内出血を発症して数週間後、
車椅子で病院の廊下を移動するようになったころ。
車椅子の金属部分に左の麻痺手が触れると
激痛が走ることに気がついた。
指は動かないし、触れた物の質感や温度はさっぱりわからない
ハズなのに、金属に触れるとなぜか痛い。
はじめは痛みの場所が分からなかった。
漠然と左側の方に非常にとても不愉快な感覚を持った。
このあたりをうまく伝えるのはムツカシイ。
水に足が触れても鋭い痛みを感じた。
お茶の入った湯のみも激しく痛いことがわかった。
どうやら刺激の程度と対応する感覚の量的な関係が、
なんというか、
直線的でなくなってしまったようだ。
あるレベルまではまったく感じないが、
それを超えると、
極端に強くその刺激を感じてしまう。
ネットで調べてみると、"求心路遮断痛" というものがもっとも
適した説明に思えた。
鎮痛剤では治らないとのこと。
しかしこの痛みの感覚は半年ほどで消えてしまった。
でも感覚自体が鈍いのは相変わらずである。