~ 5000超の記事をシンプルな単語で検索するよ!

2017年6月20日

くも膜下出血→脳死→臓器摘出 の頻度がわかった


Irreversible Total Loss of Brain Function and Organ Donation in Patients with Aneurysmal Subarachnoid Hemorrhage.
2017  6月  ドイツ

臓器移植は待機者が増えるいっぽうで 供給はまったく増えていない。

脳動脈瘤破裂のくも膜下出血患者は死亡率が非常に高いので 救急医療の現場では臓器提供者候補として期待されている。

そこで、どのくらいの患者が脳死になり 臓器提供の同意が得られているものか 実際にしらべてみたそうな。


2011-2016の脳動脈瘤性くも膜下出血患者395人の記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・全体の18.0%が集中治療室で死亡した。

・死亡患者の42.3%には脳内出血、22.5%には動脈瘤の再出血、87.3%には脳室内出血があった。

・死亡患者の50.7%は脳死判定され、32.4%(23人)が臓器提供者になった。

・女性よりも男性のほうが明らかに臓器提供者になりやすかった。

・脳死からの臓器提供は60歳未満の患者でおおかった。

・23人から計85の臓器(腎臓42、肝臓21、膵臓3、心臓11、肺8)が摘出された。

脳動脈瘤破裂のくも膜下出血から脳死 そして臓器提供への流れはまったくめずらしいことではなかった、


というおはなし。
図:くも膜下出血からの臓器提供

感想:

つまり亡くなる3人に1人(全体の6%)が臓器提供していることになる。

一人の重症患者を脳死判定するだけで 複数人の命を救えるのが臓器移植。

提供の意志をチラつかせたら どういう結果になるかは想像に難くない

だから運転免許証の裏には臓器提供拒否に二重丸をつけてある。

ご意見 ご感想はこちら

名前

メール *

メッセージ *