2019年7月4日

刺激豊富な環境は遅くても間に合うの?


Delayed exposure to environmental enrichment improves functional outcome after stroke
2019  6月  中国

脳卒中のあと刺激豊富な環境(enriched environment)に曝すと回復が促されるとする動物実験の報告がおおくある。

これら報告のほとんどは脳卒中の早期に適用したもので、臨床応用を考えると24時間以内の暴露を想定することになり現実的ではない。

では刺激豊富な環境へおくタイミングを遅らせた場合の神経 認知機能、神経形成についてはよくわかっていないので実験してみたそうな。



人為的に右脳を虚血/再灌流したネズミを、5日後から通常環境と刺激豊富な環境の2グループにわけた。

刺激豊富な環境グループには広いケージ、おおくのネズミ、遊具、はしご、ハンモック、トンネルなどを置き、それらの設置を毎日変更した。
水と食事内容は通常環境グループと同じにした。

神経症状テスト:Modified neurological severity score (mNSS)
空間学習 記憶テスト:Morris water maze task
神経形成と分化 移動の観察:Immunofluorescence
発現タンパク質解析:Western blot analysis

をしらべて比べたところ、


次のことがわかった。

・遅れ刺激豊富な環境グループでは神経機能と記憶障害の程度がちいさく、

・海馬の神経形成とシナプス形成がすすみ、

・脳室下帯での神経新生と損傷部位への移動が促された。

・これらにはHDAC2, synapse-associated proteins 、BDNFといったタンパク質の関与が推測された。

脳卒中のあと遅れて刺激豊富な環境に曝したばあい、機能回復が持続し、海馬の神経形成とシナプス形成がすすみ、損傷部位への神経芽細胞の移動が促された、


というおはなし。

図:刺激豊富な環境



感想:

同病の仲間とおしゃべりして、他人にかまってもらいながらひろいスペースを動き回りあとはゲームや本 テレビを見て過ごす。

まんまリハビリ病院の環境なんだな。

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