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2020年1月24日

脳内出血の半数以上が抗血栓薬を使っていた


Mortality in patients with intracerebral hemorrhage associated with antiplatelet agents, oral anticoagulants or no antithrombotic therapy
2020  1月  イタリア

脳内出血は脳卒中の10-15%を占め、短期死亡率は30%と高い。

血腫の体積と拡大速度、位置、脳室への進展が死亡リスクとして知られている。

アスピリンなどの抗血小板薬(antiplatelet agents:APs)や
ワルファリンなどの抗凝固薬(vitamin K antagonists :VKAs)また
直接経口抗凝固薬(direct oral anticoagulants:DOACs)
をつかった抗血栓療法も脳内出血のリスクである。

たとえばVKAs使用患者の脳内出血率は年間0.3-0.6%で致命率は45-50%といわれ、これら抗血栓薬の使用は予後をも悪化させると考える者もいる。

そこで、脳内出血患者について発症前の抗血栓薬使用の有無と短期死亡率との関連をくわしくしらべてみたそうな。




脳内出血患者598人の30日後の生死を確認した。

発症前の抗血栓療法の有無とくすりの種類、入院時の血腫体積、GCS(意識レベル)スコア等との関連を解析したところ、



次のことがわかった。
・発症前にAPsを使用していた者の21%、VKAsの25%、DOACsの30%、抗血栓療法なしの13% が死亡していた。

・調整前死亡率は抗血栓薬使用者で高かった。

・年齢、脳卒中歴、入院時GCSスコア8以下、血腫体積と増大速度 があきらかな死亡予測因子だった。

・APs、VKAs、DOACsの使用は死亡の予測因子と言えるほどの有意な関連は確認できなかった。

脳内出血発症前に抗血栓薬を使用していた患者には症状の重い者がおおかったが、院内死亡のあきらかな予測因子としては高齢、脳卒中歴、GCSスコア、血腫体積が挙げられた、


というおはなし。

図:脳内出血の死亡予測因子



感想:

脳内出血患者の人数内訳見ると、598人のうち抗血栓療法をうけていなかった患者は215人のみ。

つまり「脳内出血の64%が抗血栓薬使用者」ってとこがおどろき。


以前の記事↓でも脳内出血患者の4割以上が発症前に抗血栓療法を受けていて、短期死亡者の8割を彼らが占めていた。
血液サラサラのおくすりで脳内出血が急成長する

脳梗塞を予防するための抗血栓療法なので 脳内出血で死亡したとしても「脳梗塞を防げたのだから失敗ではない」ってことなんだろうか。

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