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2020年2月6日

3mm以下の微小脳動脈瘤の手術成績


Safety and efficacy of treatment of very small intracranial aneurysms
2019  9月  ポーランド

診断技術の進歩により微小脳動脈瘤を破裂するまえに見つけ出すことができるようになった。

これら微小脳動脈瘤をじっさいに治療する場合の方法と結果、合併症についてさいきんの結果をくわしくしらべてみたそうな。




2008-2014に治療をした脳動脈瘤444個の記録のうち、

瘤の大きさが3mm以下を微小脳動脈瘤グループとし残りの脳動脈瘤グループと比べた。


次のことがわかった。

・65個が微小脳動脈瘤に相当した。

・このうち51%はステントによる血管内手術で49%がクリップ手術をうけた。

・38%はくも膜下出血として入院してきた。

・手術による合併症は16.9%に起き、もっともおおい合併症は脳梗塞だった。

・69%で瘤の完全閉塞が確認できた。

微小脳動脈瘤であっても より大きなサイズのそれと同様に安全かつ効果的に治療することができた、


というおはなし。

図:小脳動脈瘤の位置分布



感想:

合併症のリスクをおかしてまで3mm以下の瘤を塞がなければならないのだろうか?
小さくても破れやすい脳動脈瘤の位置は

Stroke誌:手術するべき脳動脈瘤4つのチェック



じつは脳動脈瘤は破裂してもぜんぜん怖くない。

久山町研究によるとくも膜下出血は潜在的にすくなくとも10倍以上の頻度で起きている。
Incidence and prognosis of subarachnoid hemorrhage in a Japanese rural community.

患者のおおくは頭痛以外に神経症状がないので緊急性を感じず病院へゆかないでがまんしてやりすごし自然治癒してしまう。
くも膜下出血の頭痛と生存率

非常に重篤な患者のみが病院へ担ぎ込まれるので見かけ上の死亡率が高くなる。
Stroke誌:クモ膜下出血で手術をしなかったときの死亡率

しかも重症そうにみえても脳の外での出血なので脳自体へのダメージは少なく後遺症もなくすぐに社会復帰ができる。
退院できたくも膜下出血の8割は回復良好

重症くも膜下出血でも退院できれば復職率25%以上

そもそも脳動脈瘤手術には効果はないし根拠となるランダム化比較試験も存在しない。
Risk of Subarachnoid Hemorrhage After Surgical Treatment of Unruptured Cerebral Aneurysms

Risk of Recurrent Subarachnoid Hemorrhage After Complete Obliteration of Cerebral Aneurysms

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